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「アフターコロナ」って最近よく聞くけど何なのか?そもそも「アフター」って来るの?

アフターコロナって何を指してるの?

ちらほら「アフターコロナ」という用語が飛び交っているのを見ていて、自分はこんなイメージを持っていた。

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新型コロナウィルス(COVID-19)の出現で世界中の人間の生活様式が一変してしまった。

個人的にはこの変化は強制的かつ不可逆的なものであると捉えていて、その変化は単に技術活用や仕事のスタイルの変化だけでなく、人々の思考やライフスタイルそのものを変えてしまうものと捉えていた。

アフターコロナは収束前提なの?

しかし、「アフターコロナ」をよくよく見てみると、アフターコロナは「新型コロナが収束した後の世界」という意味で使われているようだ。

いろいろな方が、アフターコロナを語っているのがとても面白い。

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しかしこのアフターコロナの定義の前提として「新型コロナは収束する」というものがある。これは具体的に言うとワクチンの開発成功と接種によるもの、あるいは世界中に一度蔓延した後に抗体を持つ人が多数をしめることで、社会が安定化するということだ。

しかし現実問題としてワクチンが実用化されたとしても、世界中の隅々にまで行き届くにはどれくらいの時間がかかるのだろう?

その間に抗体を持つ人が増える一方、大勢の人が亡くなることになるのは自明だ。現在の新型コロナの致死率は世界平均で6.2%、日本では2%未満だ。

現在、新型コロナの基本再生産数(R0)は2前後(1.4〜2.5)と言われている。これは一人の感染者が周囲の非感染者何人に感染させ得るかの数字だ。

この数字を利用して集団免疫閾値、つまりある集団がどのくらいの割合で免疫を持っていれば感染が広がらないか、という数字を算出することができる。先の数字を元に集団免疫閾値を計算すると 29%〜60%の人が免疫を持つことで感染が収束する計算になる。

では人口の60%の人が免疫を持つためには、どの程度の感染者とどの程度の死者が必要になるだろうか?

計算上では日本人口を1.2億だとすると、3480〜7200万人が感染して免疫を持つことで収束することになる。しかしその裏で亡くなる方は現在の日本の致死率だと60〜130万人となる計算だ。イギリスが方向転換したように自然にこの集団免疫閾値を目指すのは多くの犠牲を伴う。

これ以外にも、新型コロナの感染者が蔓延するとICUが占有されてCOVID-19以外の重傷者の命が救えなくなってしまったり、は医療従事者への感染リスクもありますます医療現場がボトルネックになってしまう。

集団閾値を80%として全世界に感染が広がるのはいつかを計算した方がいたので引用してみる。

77億人の80%、61.6億人が感染するのは、2020年3月2日から2906日後の2028年2月15日です。
この式は、全世界で頑張って、自粛したりしている結果の数字から導き出したものなので、集団免疫戦略をとって、積極的に感染するようにすれば、集団免疫が機能するようになるのはもっと早くなりますが、そんなことしたら、他の国にウイルスをばらまく可能性が高まるので現実的でないことがわかります。

この記事は3/27時点なので今だと数字は変っているだろうが、すくなくとも後8年はかかるということだ。

結局の所、僕らは長い時間をかけてじっと待ち続けることが必要だし、今の状況を前提にして生活やビジネスを合わせていかなければならないという現実に向き合わないといけないのだろう。

アフターコロナではなく、ウィルスとの共生、ウィズコロナ

ここでウィズコロナ(with Corona)という考え方を落合陽一氏が書かれていた。

コロナが収束するということに期待するのではなく、むしろコロナが今のように常に世界中をおびやかしている状況下でどのように生き残るかのための思考だ。

ウィズコロナを別の言葉を使うとすると「コロナとの共生」になる。

100年前のパンデミックで多くの人が亡くなったスペイン風邪も原因すらわからない状態で多くの犠牲を出しながら乗り越えてきた。収束には2年かかったそうだが、これは多くの死者をだして集団免疫を獲得した結果ではないだろうか。

今はネットによって情報拡散のスピードや範囲が桁違いだ。物流網も整っているし、当然医療現場の進歩もある。

かつてのご先祖様達よりもできることや工夫の余地はずっと多い。多くの犠牲を伴って集団免疫を短期に獲得するよりもよいやり方ができるのではないか。

ウィズコロナに適応せよ

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コロナとの共生、ウィズコロナは、個人、社会様々な面で大きな変化を強制されて、これまでの当たり前がどんどん崩れた後に、新しい時代の当たり前を作り上げるプロセスそのものだ。

たとえば、これまでよりも死が身近になってしまった一方で、安易に技術や薬に頼ってきた現代人の思考も、そこに頼れなくなればより免疫機能を高め維持していく自己治癒力に目を向けるだろう。

なんとなくオフィスに通って紙に印刷しておくことが当たり前だった会社では、物理的な媒体にできるだけ頼らないように工夫せざるを得ないだろう。定時という概念がそもそもなんのためにあるのかも再考せざるを得ないだろう。

仕事があるからといって大都市に住んでいた人は、フルリモートになった途端に都会を離れて田舎に戻るだろう。

そして逆に言えばこれまで通りの生活というものがなんて贅沢でなんと豊かであったかことに気づくだろう。人が集って話をして一緒に御飯を食べて。こんな普通の出来事そのものが、なんと有り難いことなんだろうと。

自分が新型コロナに感染してしまうと、それまでの日常が一瞬で壊れてしまう。一緒に御飯を食べ、他愛もない話をし、子どもと遊べるという日常そのものがどれだけ豊かで幸せだったのだろうと初めて気づくのだ。

自分はこのことを自己隔離中に嫌と言うほど感じた。

単に社会の仕組み、技術の変革、仕事のあり方、人との関係性、価値観など様々な面が大きく変わろうとしている。

これまでの常識が一気に崩れたウィズコロナ時代にどう適応し、どう未来の当たり前ができていくのかをつぶさに体験しそこに関わっていけるということに不安もあるがドキドキとワクワクの方が大きい。

恐れや不安と共に、夢や希望を抱きながら前に進もう。

追記(4/15)

この記事を公開した後にTwitterに流れてきた前田恵理子氏の収束の予測は10年となっていた。

(1) 集団免疫獲得、(2) ワクチンによる集団接種の2ケースに分かれているが、(1)については医療崩壊せずにゆるやかに日本人9000万人(この数字はどこから来てるのだろう?)に感染させていくのになんと50年という試算をされている。

(2)のワクチンによる集団接種については、完成と拡大で約10年という試算をされている。

具体的な数字の根拠は明かにはなっていないが、いずれにせよ長い道のりかつ不可逆な変化の方向性になりそうだ。

これらの予測がまったくお笑い草になるくらいに早期決着したら儲けもの。最悪ケースを想定しながら前に進むしかないな。


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