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松山市民が、南海トラフや水害に備えて「松山市マイ・タイムライン防災アプリ」をインストールすべき6つの理由
南海トラフが近づいてる?
8/8に日向灘を震源とするM7.1の地震が起こり、南海トラフ地震の警戒意識がこれまでにないほど高まってきました。7月には中心部にも関わらず、松山城山が土砂崩れになり全国ニュースになりました。
愛媛県は2018年に西日本豪雨に被災して以来、防災意識が高まっており、防災士の資格取得者の人数は、47都道府県で東京に続いて2位、人口比率でみてみると他県と比べて圧倒的多数の第1位となる1.77%を誇っています。
https://bousaisi.jp/wp-content/themes/fcvanilla/pdf/ninshiyo-data.pdf
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先日、妻が防災士の資格講座を受講してきて、その時の講座で勧められた松山市が作成した防災アプリを紹介してくれました。正直、行政が作るアプリなどはまったく関心も期待もしていなかったのですが、インストールして触ってみて「これは出来がいい!」と感銘を受けたので、特に愛媛県松山市民向けの紹介記事を書いてみます。
マイ・タイムラインのおすすめポイント3つ
1. 災害に必要な情報が1クリックで閲覧できる
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松山の災害に関する情報がアプリのホーム画面からワンクリックで見れます。四国以外の地域の災害情報(台風、地震)も簡単に見れるのでとても便利に感じます。
これらの情報は天気アプリでも見ることが出来ますが、マイ・タイムラインだとアプリを開いてワンクリックで閲覧できるので、視認性がとてもよいです。
2. ローカルの災害情報を頻繁に通知してくれる
このアプリは愛媛県、特に松山市在住者向けに作られたものです。そのため、松山市気象台の情報が更新されると度々通知してくれます。
これらの情報はネットで探せば閲覧することもできますが、プッシュ通知で知ることができるのはとても便利です。
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今回の台風10号に関しては、すでに4回の更新がありました。
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3. グループSOSで位置と安全を共有
このアプリで一押しは、このグループSOS機能です。これはグループのメンバーに対して、一斉に位置情報と無事・SOSを送信する機能です。
位置情報を一斉送信するには、GoogleマップとLINEがあれば実現は可能ですが、位置情報の確認と送信を手で行う必要があります。
このアプリを使うとボタンワンクリックでグループのメンバーに位置情報と状態が送れます。LINEのように複数グループは作れないようなので、あくまでも家族だけになりますが、それでも有事の際に慌てていてもボタンワンクリックで互いの安全・危険と場所を確認することができます。
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残念ながら文字メッセージのやりとりはできませんが、そういったやりとりはLINEグループなどを使えばいいので、有事の安否・位置確認だけに割り切った仕様になっています。これはこれで有事に限定した使い方でしょう。
東京に住んでる娘にもインストールしてもらい試したところ、ちゃんと通知と地図が見れました。
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アプリ要改善点
更にこの機能を有用にするには、グループで共有した位置情報をコピー可能にして、他者に共有できるようになれば救助依頼がしやすいですね。現状は位置情報はコピーできないため、地図を拡大してスクショして共有するくらいしかできません。
「グループSOS」とありますが、グループの概念が曖昧で、結局現在の仕様だと、個人個人が双方向で登録して繋がらないと、グループの一覧にその人の名前ができず非常にわかりにくいです。LINEやFacebookグループのように、グループの概念を持って誰かが登録すれば、他の同グループ全員ともつながるように仕様を改善してほしいと思います。
4. Google パーソンファインダーが簡単に使える
Googleのパーソンファインダーをご存知でしょうか?
このサービスは東日本大震災の時に、Googleの有志が急遽開発公開したサービスです。大規模広範囲の災害が起きたときに、人がどこの避難所にいるのかを検索することができます。自分は東日本大震災当時、被災して行方不明だった宮城県在住のいとこを、パーソンファインダーで調べて、避難先を見つけた体験があり、有事の際の安否確認に有用なことを実感しています。
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東日本大震災のときのように、スマホなどを紛失して自分の安否を他者に伝えられない時には、避難所の名簿からパーソンファインダーに登録することで、その人の安否とどこに避難しているかを知らせることができます。もちろん、このアプリから自分の居場所を登録することもできます。
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先のグループSOSでつながっていない場合、スマホの電池が切れると連絡が取れなくなってしまいます。電話はLINEなどの既存のインフラ使う以外に、パーソンファインダーに自分の居場所を登録しておき、他者が検索して安否を確認できるようにしておくことが重要です。
パーソンファインダーを知らなくても、このアプリさえあればパーソンファインダーをワンクリックで使うことができるのは、災害時の行動をよく調べていると言って良いのでないでしょうか。
パーソンファインダーのインタフェースとして使えるので、県外に住んでいる家族にもインストールしてもらって、松山在住の家族の安否確認をこのアプリで行う、という利用用途も十分ありだと思います。
アプリ要改善ポイント
パーソンファインダーを知らない利用者には、価値がよくわからないかもしれません。東日本大震災の時に生まれたので、松山の人はあまり馴染みがないかもしれません。このあたりは防災教育で伝える必要がありそうです。
5. 有事のライト・ブザー機能
「よく考えられてる」と思った機能として、このライト・ブザー機能があります。これは建物に閉じ込められて身動きが取れなかったり、夜間に自分の居場所を知らせたいときに有用な機能です。
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ライトについては、スマホにもともとある懐中電灯機能以外に、フラッシュ点滅機能や、モールス信号でSOSを点滅で知らせるなどができます。特にSOSは災害以外でも山や海の遭難でも使うことができるのでよく考えられていると思いました。
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ブザー機能は、光ではなく音で自分を知らせる機能です。声を上げて助けを求めるのは音が通りにくかったり、喉が枯れたりして有事では有効ではありません。登山などではホイッスルを携帯して有事の際に備えますが、このアプリではブザー音を鳴らすことで、危険や居場所を伝えることができます。
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もちろん、スマホが手元にあり電池が残っている状態に限りますが、災害以外でも利用用途があるので覚えておいて損はないはずです。
6. 防災行動計画を事前に設定共有
このアプリの名前の通り、おそらくメインの使い方は特に集中豪雨による災害時の行動計画を立てることができる防災行動計画機能(マイタイムライン)でしょう。
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アプリ公式サイトにはこのような説明があります。
マイ・タイムラインは、大雨や台風のときに、自分や家族がとる防災行動を時系列的に整理したものです。
大雨や台風は、地震と違い、避難の準備をする時間があります。どこに避難するか、いつ、どんな行動をとるか事前に確認しておきましょう。
愛媛県では、2018年に西日本豪雨災害で大きな被害がでました。私も被災地支援などを行っていたこともあり、強烈な印象が残っています。また先月の7月12日に発生した松山城山の土砂崩れも記憶に新しいです。
南海トラフ地震はいつ来るかが予測できませんが、豪雨による水害は予測ができ、かつ、避難までに時間があるため自身での行動計画が可能です。
現在まさに進行中の令和6年台風10号は進路や速度が変わりヤキモキさせています。この隙に、自分の避難計画をこのアプリで考えてみるとよいのではないでしょうか?
防災行動計画は機能は、警戒レベルがどの程度で、どのような行動を取ればいいかを事前にシミュレーションして計画を立てる機能になります。また避難先の登録も可能で、「防災マップ」から避難所へのナビゲーションもしてくれるため、気が動転していてもこのアプリを開けさえすれば、何をすればいいかがわかりやすいでしょう。
具体的にどのようにマイ・タイムラインを作るかは、公式サイトを確認ください。
アプリ要改善ポイント
防災行動計画は、どうやって作成するのか、どのように使うのかが、非常にわかりにくいです。この辺りはAIなどを使って質問に答えていくと自動的におすすめの行動計画ができる、などの仕様が欲しくなります。
「理解する→使う」という流れではなく、「使ってみる→わかる→使ってみる→わかる→[繰り返し]」という学習サイクルを利用者に提供するデザインにして欲しいところです。
どんな人に使ってほしい?
私はこのアプリの企画者でも開発者でもありませんが、このアプリのデザインをみて用途を想定すると、もっとも身近で起きやすい大雨による水害への対策をきっかけとして、防災意識や有事の行動についてのイメージを具体化すること、特に家族や大切な人との連絡をどうとるか、どうやって避難をするか、というイメージトレーニングを日々行っておくことが重要であると感じました。
今回の台風10号に関しても、松山市気象台の情報がアップデートの度にプッシュ通知されるので、細かに状況がわかります。全国を網羅している天気アプリよりも、ローカルに寄り添った内容になっています。
今後も水害、地震の脅威は消えません。松山市在住、愛媛県在住、家族が松山市に住んでいる人は、是非本アプリをインストールしてみてください。
そして、せっかく作ったアプリを無駄にしないために、松山市が本アプリを今後もメンテナンスし続けてくれることを切に願っています。
松山市民は、台風10号の情報をチェックするため、まずインストールしてみよう!!
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