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第5回 初代クイーンセイコー

初代クイーンセイコーは1962年頃に発売されました。婦人用腕時計をリードするスペシャル製品として企画販売されました。
外装、ムーブメント等全てにおいてスペシャルな作りとなっています。時計側は、ゴールドフィルドの商品では通常の2倍の厚さの80ミクロンが採用されています。
また23石を備えたムーブメントは高性能微動緩急調整装置(トリオスタット)が備えられていて、歩度の緩急はもちろんのこと、片振れの修正、ヒゲ受けとヒゲ棒の隙間の調整など今までにない精密な調整ができるようになっていました。
最終的な精度については当時の婦人用腕時計としては驚異的な日差±20秒以内の精度を達成していました。
ムーブメントには個別識別番号が刻印され、一本一本に証明書を付け、この時計が厳重な調整品であることを証明して販売されました。
ケース形状は2種類、ケース素材は金無垢・プラチナ無垢・ゴールドフィルド・ホワイトゴールドフィルド・ステンレスと5種類、ガラス風防はプラスティックと側面に飾りカットが施されたクリスタル風防の2種類です。
当時の販売価格はゴールドフィルドのモデルで12,500円でした。


試験合格証
金無垢とプラチナ無垢
個別識別番号が刻印されています
裏蓋上部には吉川鶴彦さんに因んだ「鶴マーク」が刻印されています
1963年発行のSEIKOニュースの表紙には、当時の三大高級機である
クイーンセイコー、ヴィーナススペシャル、バーディースペシャルが並んでいます