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ドメインエキスパートではないPMがどのようにプロダクトを開発するか

*プロダクト筋トレコミュニティのAdvent Calendar 12日目の記事です。

はじめに

こんにちは。
MNTSQ (モンテスキューと読みます) というリーガルテックスタートアップのPMのKawaseです。

この記事では、リーガルテックでリーガル経験が無い自分が、入社3ヶ月でどのようにプロダクトマネジメントを行ってきたかご紹介します。
扱うプロダクトが自分のエキスパートドメインでない方々にとって、少しでもご参考になれば嬉しいです。

自己&会社紹介

MNTSQに入社する前までは、スタートアップ、メガベンチャーや大企業など様々な会社でPjM/PdMとして働いてきました。
それらの会社では地図やコミュニケーションアプリなど、プロフェッショナルではないにせよ、自分が入社当時からユーザーとして触れてきた領域ではありました。
また、自分がどの分野でもキャッチアップしていくのが好きなので、割とドメインによる苦しみは少なかったです。

ただ、今働いているMNTSQは、桁外れです。
MNTSQでは、MNTSQ for Enterpriseという、大企業特化 (Enterprise SaaS) で「契約業務全体のデジタル化」を推進するプロダクトを開発しています。

自分はこれまで法律や契約について、ほぼ触れてきませんでした。
契約書や規約を読み、ある程度内容を理解することがあっても、リーガルチームに依頼し戻ってきた赤入れを見て、なぜこのような言い回しにするのか、なぜこの部分にこの文言を入れるのか、など詳細はリーガルチームに全面的に頼っていました。
なので、ましてやリーガルチーム内でどのような作業が行われていたか、ほぼ謎状態ではありました。

そんな僕がMNTSQでどのようにプロダクトマネジメントを行ってきたかをご紹介します。
(なぜ入社に至ったのかは以下の入社エントリをご参考ください)

コミュニケーション

社内には、ドメインエキスパートや顧客対面を担当しているチーム、また今までプロダクト開発を行ってきた経験者が在籍しているので、とにかく透明性を担保し、コミュニケーションを整理し仕組み化し、社内外のフィードバックを存分に活かしていくのが良いと考えています。

もちろん自分も知識を付けていき、ある程度のドメインエキスパートになるということも同時並行で進めるのですが、特にリーガルとなると時間もかかるし難易度も高いです(ご存知のように司法試験は最難関資格試験の一つです。)
特に社内の知見を活かすために、具体的には以下のようなことを行っています。

開発仕様/スケジュールSSoTの作成と共有

開発に関するSSoT (Single Source of Truth)を明確にしました。これは全社で共有され、事あるごとにコミュニケーションで使用されます。
Google SlidesとGoogle Spreadsheetでマネジメントされているので、社内であれば誰でも閲覧/コメント可能です。更新/編集はPMが行います。

もちろんリーガルの知見をもったメンバーもなのですが、CS (Customer Success) やSE/SRE, Salesなど全社員からのフィードバックを随時受け付け更新しています。

Productカンバンの作成と運用

プロダクトに関する質問や機能リクエストは、ほぼすべてGitHubのissueでマネジメントされています。特に顧客対面を担当しているチームは、日々様々な機能リクエストを受けているのですが、GitHubのissueを作成し、カンバン機能を使いながら運用しています。
それにより、社員全員が常にそのリクエストや質問を閲覧し、コメントすることができます。

image by github.com

それまではGoogle DocsやSlackやissueに分散していたのですが、基本的にGitHubのissueに一本化しました(issue以外は絶対禁止というわけではないです、念の為。)

Legal/CSチームとの非同期/同期コミュニケーションの確立

上記のような機能リクエストのissueが作成され、それがそのまま開発issueとなることが多くあります。

主にPMが仕様作成し、issue上で仕様を共有するのですが、現在はリーガルが関係する機能追加/修正には必ずLegal/CSチームへメンションし、フィードバックを受けるようにしています。そうすることで、リーガル観点からの違和感や改善案を吸い上げることができます。

また、issue上の非同期コミュニケーションだけではなく、同期でも仕様やプロダクトについて議論をする会を定例で設けています。
そして、MNTSQの代表取締役であり弁護士の板谷とPMとの定例も設けています。
これらの同期の会も公開され、ログには誰でもコメントすることが可能です。

全社員一斉プロダクトフィードバック

issueにするまでもないかもなあ、というフィードバックを投稿することができるslackチャンネルもあります。
随時フィードバックが投稿されるのですが、特に定期デプロイの度には全社員が一斉に製品を触り倒し、そのチャンネルにひたすら投稿する、ということも行っています(毎回3桁台のコメントが投稿されます)。

おわりに

上記のように、ドメインエキスパートの知見を活かすべく日々努力していますが、銀の弾丸はありません。
常に改善が必要であり、事業フェーズや組織規模によってももちろん変えていく必要があります。

ただ、このようなコラボレーションが行われることによって生まれる価値はとても大きいと考えています。

MNTSQやプロダクトのことをもっと知りたいという方がいらっしゃったら、ぜひお話ししましょう!
僕となんとなく話してみたい方もWelcomeです!


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