人類ストロング化計画
それは失踪した筈の妻子がひょっこり帰宅した夜の事だった。「訳は聞かないで」「当ててみな」「だってしょうがないじゃない」好き勝手に彼らが言う情報を組み合わせるとこうだ。早起きしたので駅に来た電車で終点まで行き、そこで一日歩き回り、また電車に乗って帰ってきたと。全然分からぬ。じゃあなぜ朝8時に全員で準備万端でひっそり出かけたのか、そんなに長時間何をしていたのか、途中からすっぽりベールに覆われていて分からずじまいだった。何かおれが触れちゃいけない、手が届かないエリアがあるんだと思う。聞いたところで所詮おれには分からない世界なのかもしれない。そんなこんなで神隠しから帰宅した奴らが持ってきたジャンクな夕飯をレンチンして食べていると、その安いアブラを洗い流すべく酒が進んでしまい、ダイニングテーブルにストロングチューハイ缶が林立してしまった。そしてうまくもない揚げ物を平らげ、トイレに立つと小便が止まらなかった。何だか必要な水分まで出て行ってる気がした。トイレから出ると慌てて水分という名のストロングチューハイ缶を補充。これはこれでアップデートなのかも。かくしておれの血液がストロングチューハイに置き換わるのも時間の問題と思われた矢先。不意に激しい頭痛に気がついた。ジンジン痛む。そして背筋の芯から襲ってくる悪寒。軽い吐き気。便秘。来た来た〜これはブームに便乗した副作用か、はたまた尾身クローンか。いかん、すぐに冷たい水分を補給しなきゃ。と言っても冷蔵庫にはストロングチューハイがあるだけ。さっきはレモン味だったから今度はグレフル味で中和しようかしら。信じる者は掬われるってなwwwww