縄伸びしてたら地積更正登記しなきゃダメなの?
「実は、この土地、縄伸びしているんですよ。」
縄伸びっていうのは、登記簿上の面積よりも実際の面積の方が大きくなっていることをいいます。
目盛の間隔が、びよ~んと伸びてしまった巻尺で計測すると、実際の長さよりも短く測定されてしまいます。そんな巻尺で土地面積を計測すると、正しい面積よりも、狭く計測されてしまいます。
固定資産税をなるべく支払いたくない昔の人たちの生活の知恵(!?)ってわけです。
さて、このオーナーさんの土地、実測すると、登記簿面積の倍以上あることが分かりました。(よくあることです。)
土地が増えたぞ、バンザイ!
でも、良いことばかりではありません。
実測面積で納税すると、固定資産税は倍以上になってしまうわけです。
だから、なるべく、登記簿の面積はいじりたくない。
(面積が異なっていても、地積更正登記を行う義務は無いので、放っておくことは違法ではありません。)
ここで問題になるのは、分筆登記を行う時。
以前は、分筆登記を申請する場合、分筆される土地について面積を測量すればOKでした。分筆により、新しくできる土地について測量すればよかったわけです。
この場合、分筆をしても分筆のもとになる土地については縄伸びしたままになります。(税金安い状態をキープ)
実際は面積2,000㎡の、しかし登記簿上は1,000㎡となっている土地があるとします。
そこから100㎡の土地を分筆する場合、100㎡の部分だけ測量して、100㎡の土地と、900㎡の土地として分筆登記の申請をすればよかった訳です。
実際の残地面積は1,900㎡なのに。
ところが、平成17年から(最近のつもりでしたが、結構昔ですね)、分筆登記を申請する場合には、分筆のもとになる土地についても測量しなければならなくなりました。
せっかく(?)、縄伸びのお陰で税金が安くなっているのに、そこから分筆してしまうと、正しい面積が明らかになってしまいます。
納税額が増えてしまうのです。(正当な税額だと言われてしまえば、それまでですが、、、)
先程の例で言うと、100㎡の土地と1,900㎡の土地として分筆登記の申請をしなければならなくなるということです。
だから、測量してもらって、境界立会いして、いつでも登記申請できる状態になったとしても、あえてすぐには分筆登記の申請は行わない方が良い場合もあったりするのです。