不動産の高額査定、一体何が嬉しいんでしょう？

2021年10月24日 18:47

「こちらの不動産一括査定サイトを使って、500万円も高い査定が出ました！」

ずらずらそんな事例が載っているサイトがあります。

でも、仲介価格の査定が高くて何の意味があるのでしょう？

確かに、仲介価格ではなくて、買取価格の査定が高いのならば、それは嬉しいこと。

査定した会社が、その買取価格を支払うと約束してくれたということですから。

でも、仲介価格の場合は、
「この金額で市場で売れると思いますよ」
と予測してくれているに過ぎません。

不動産の媒介契約を結んでも、査定した会社には買い取る義務も、更には買主さんを見つける義務さえも発生しません。
買主さんを見つけたら、仲介手数料を売主さんから頂く権利を得るだけです。

査定した価格で売りに出すことはしますが、その価格で売れなかったら、
「市況が悪くなったので、査定価格では売れませんでした。今の市況に合わせて価格を下げましょう」
と言って、価格を下げるだけです。

仲介会社としては、とりあえず、高い査定価格を出して媒介契約をいただいて、囲い込んでしまえばそれで良いのです。

それでも、
「高い査定を出した会社の方が高く売れる可能性が高いんじゃないの？」
と思われるかも知れません。

でも、査定金額＝売出価格という訳ではありません。

売出価格は自由に決められるのです。

売主さんが希望する価格で売りに出すようにお願いすれば良いのです。

よく、あまりに相場と離れていると、晒しもの物件になって売れなくなる、なんて言ったりしますが、そんな心配はいりません。

確かに販売価格が相場よりもかけ離れていたら、全く問い合わせがありません。

でも、価格を相場まで落とせば、ちゃんと相場価格で売れます。

高い値段で売りに出すことで負うリスクは、時間がかかることだけなのです。

不動産は同じものが二つとありません。

世の中で「誰か一人」がその物件をすごく気に入ってくれれば、相場よりも高い値段で売れることもあるのです。

実のところ、査定金額を気にするよりも、その「誰か一人」がいるかどうか、を探る方が大事だと思います。

お急ぎでなければ面白半分に高値で出してみてはいかがでしょうか？

相場よりも高い値段での販売活動をするのを拒むのは、毎月仲介売り上げをあげていかなければならない、不動産会社側の都合だったりするのです。

こんなこともありました。

普通に査定したら5,000万円のビル。

買取業者さんに買取価格を査定してもらったら4,000万円でした。

でも、駅近のなかなか売りに出ない立地のビルだったので、そんなのは無視。

試しに9,000万円で売りに出しました。

「相場よりも随分高いですよね、、、でもお客様はどうしてもこの場所に欲しいと探していたので、、、8,000万円にしていただけませんか？」

３ヶ月くらいかかりましたが、相場よりも3,000万円も高く売れたら大成功だと思うのです。

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