Facebookアーカイブ:ブックカバーチャレンジ2020
2020年に外出できなくなった時期にFacebookで流行したブックカバーチャレンジ。最近は全く見ないので外出禁止の時代の仇花だったのだろう。
当時のFBを見ると「「7日間ブックカバーチャレンジ」とは「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」」というものだそうで、
ルールは
①本についての説明はナシで表紙画像だけアップ
②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。
ハッシュタグもお忘れなく
とある。
何やら出版業界の策略か、小学校時代に流行った「XXの手紙」のようにも感じたが、私も時流に流されて当時7冊の本を投稿し、7名の方に参加をお願した。その中には快く参加してくださった方もいればFBそのものを見ていない人もいた。多忙の中お付き合いいただいた方にはここに改めて感謝したい。
今回は記録に留める意味もあって、その7冊をまとめて紹介したいと思う。
1. 初秋 by ロバート.B.パーカー
大学時代に友人の紹介で読み始めたボストンを活動拠点とする私立探偵スペンサーを主人公としたハードボイルド小説。この作品では事件の絡みで知り合った少年へのメンター関係が描かれており、単にタフだけでは無く独自のプラグマティックな生き様が特徴だ。大学最後の年にボストンを訪問、小説に出てくる風景を頭に焼き付けたのが想い出深い。
2. エピタフ業書第一回ロック訳詞集-世紀末解体新書 by 岩谷宏
中学高校時代に最も影響を受けた岩谷宏によるロック訳詞集。元々の作品を忠実に訳すのでは無く、著者による拡大解釈が作品の印象をさらに際立たせた。
3. Your Song Changed My Life by Bob Bilen
NPRで”All Songs Considered”という番組を担当しているBob Boilenの自叙伝。彼自身も元々ミュージシャンだったこともあるが、常に新しい音楽にも情熱的に目を向けていく姿勢は学ぶところが大きい。
Bob Boilenは常に新しいPlaylistを公開しているのでこちらに紹介したい。
4. Fever Pitch by Nick Hornby
Nick Hornbyは”About A Boy”や“High Fidelity”などの人気映画の原作者で有名だが、音楽通で”Songbooks”という短編集があり、また息子さんが自閉症でAmbitious About Autismという慈善団体も立ち上げている人。
この本も英米で映画化されているが、Boston Redsoxネタの米版映画(主役Jimmy Fallon!)と異なり、原作と英版映画はプレミアリーグのアーセナルをモチーフとしたもの。
5. Sushi & Beyond by Michael Booth
京都伏見の玉乃光も登場するこの本は、TVアニメにもなった「英国人一家日本を食べる」の原書。アニメほどは茶化したところは無いが、異文化に出会う作者とその家族の反応が面白い。
6. 神戸ものがたり by 陳舜臣
この本の著者陳舜臣さんは神戸にある母校六甲学院のお向いにお住まいだった方で、まだ神戸にノスタルジアを感じていた頃に読んだ本。
7. ひらく① by 佐伯啓思
京都大学こころの未来研究センター佐伯啓思氏が昨年創刊した「ひらく」は2020年に私が個人事業の屋号として選んだ「HIRAKUコンサルタンシーサービズ」のインスピレーションになった雑誌。これまで第7号が刊行されている。
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こうやって見てみると、もう手元に無いもの、電子書籍で読んだもの、さらにはブックカバーそのものが換わってしまったものなどがあり、私の記憶にあるブックカバーの印象とは異なるものがある。
最近の読書はまず図書館で探して、忍耐強く順番を待つか、電子書籍を購入するか、はたまた原書が図書館にあれば原書で読むことがほとんどで本を購入することが無くなってしまった。
レコードがCDやストリーミングに替わってジャケットアートの文化が後退したように書籍の出版数が少なくなると装丁文化も後退してしまったことだろう。
断捨離やこんまりの時代に肩身が狭いコレクションだが、やはり思い入れの深いものは手元に置いておきたい気がする。こっそり(?)中古図書も集めてみようかな。