2/23更新。大衆演劇風声劇台本作ってみたらベタになった

無断転載禁止です。商用利用はお辞めください。
声劇台本からの舞台台本にする、漫画にする、男女逆転、などへのアレンジは構いません。また、演じるときに演じにくくてやむを得ず場を削る、物語の流れや作品の雰囲気を保持したまま台詞を増やす減らす程度の改変なら構いません。言葉遣いを分かりやすくする等も構いません。その際はご相談いただきましたらと思います。こちらの力が至らず申し訳ございません。
こちらは無料台本で商用利用以外ならご使用いただいて構いませんが、著作権はわたくし《おばけのうるう》にございます。台本をお使いになる場合はこちらのnoteへのリンクと、作者名をご明記の上ご利用くださいませ。皆様のお芝居でお使いいただけましたら大変光栄です。
その他ご不明点はご相談くださいませ。


大衆演劇風声劇:お花清太郎(おはなせいたろう)

〜あらすじ〜

幼馴染のヒロインを探し続ける旅人の主人公は、ついにヒロインがこの宿場町にいるという情報を掴む。しかし、ヒロインは女郎屋に売られ、その裏には博打好きの旦那と町を仕切る熊五郎一家の影があった。主人公は、ヒロインを救い出し、一家の企みを阻止することができるのか?



時代:江戸時代
場:宿場町の茶店前、女郎屋、一家
構成:序幕,一場,ニ場,三場,四場,五場,終幕

〜登場人物〜

清太郎(せいたろう。主人公。男):幼馴染のヒロインを探す一人の旅人。元渡世人。正義感溢れる若者。23歳くらい。

お花(おはな。ヒロイン。女):女郎屋に売られたかつての幼馴染

熊五郎(一家の親分。男):ヤ○ザの親分

ヒロインの旦那(男):博打好きで一家の下っ端

茶店の娘(女):宿場町の茶店の娘。15歳くらい。

夕霧楼の女将(女):ヒロインが売られた女郎屋の女将。中年代くらい。

兼役で。。。熊五郎の手下、町の人たち

⇒最少人数5名〜6名で演じられます。時間は20分程度をイメージしました。
声色を変えればお一人で朗読もできます。男性が女性を、女性が男性を演じていただいても構いません。女方や立役となり、より時代劇らしくなるかもしれませんね。

あれば尚いいなってやつ。。。
木頭(きがしら)のSE
殺陣の刀の効果音
その他場面に合った音、音楽。




台本【お花清太郎】

→タイトルは分かりやすく変えていただいてOKです。ちょっとあまりに安直なので笑笑



 ■序幕:茶店の出会い
《セットのイメージ/序幕 茶店・茶店のれん・床几・小ボカ・ゆのみ・お盆・柳・背景川町・石塀》



(舞台は宿場町の茶店。夕暮れ前、主人公が茶を飲んでいる。茶店の娘が話しかける。)


茶店の娘:旅のお方(おかた)ですか?どちらから?


主人公:(物憂げに)いやぁ…、色々なところを回っています。


茶店の娘:そうですか。何か、探し物でも?


主人公:(少し間を置いて)ええ、大切な人を。


茶店の娘:人を?この町でですか?


主人公:(茶を飲みながら)(頷き)ええ。ずっと何年も幼馴染の娘(むすめ)を探して旅をしているんです。旅をしながらやむを得ず色んな稼業(かぎょう)をしてきました。それほどまでに俺にとっちゃあ、大切な娘なんです。お花というのですが…。


茶店の娘:お花さん…?もしかしたら、この近くの女郎屋に新しく入ったって噂の人かしら…


主人公:(立ち上がり)女郎屋!?


茶店の娘:はい。そこの路地を曲がったとこに夕霧楼(ゆうぎりろう)て女郎屋があるんです


主人公:ありがとう。ちょいと行ってみます!(お代を置く)


茶店の娘:い、1両!?旅人さん!こんなにお代は貰えません!旅人さーん!


(旅人、走って夕霧楼へ)

■第一場:再会
《セットのイメージ/女郎屋宿・木戸・屋根・しだれ木・背景川街・白塀・中みどり木・かけ提灯『夕霧楼』の文字(火入れ有り)》

(夕霧楼の前)


主人公:ここが夕霧楼か。ずいぶんと古びた女郎屋だ。まさかこんな所で…。いや、心まで綺麗なお花がこんな所にいるわけがねぇ。きっと人間違い(ひとまちがい)だ

(主人公、帰ろうとする)


ヒロイン:ちょっと色男さん!(女郎屋の入り口から女郎が声をかける)あたしと遊んで行かないかい?


主人公:いや、俺にそんな金は(振り向きヒロインの顔を見る)……お前は!


(ヒロインは一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに顔を背ける。)


主人公:まさか……おい、顔をしっかり見せてくれ!お前(おめぇ)、お花だろ!?


ヒロイン:…人間違いだよ。よしとくれ。


(ヒロインはそのまま女郎屋に入っていこうとする。)


主人公:いいや、人間違いなんかじゃねぇ。お花だ。長年会わなくたって俺がお前を見間違えるわけがねぇ。ほら、昔一緒に遊んだ清太郎(せいたろう)だ。


お花:清(せい)さん…。


清:やっぱり!やっぱりお花なんだな!お前、なんでこんな所に


お花:清さん!あたしはもう昔のあたしじゃあないんだよ!お願いだから、ほっといとくれ!

(清の手を振りほどき、泣きながら女郎屋に入る)


清:(お花の背中を見つめ)お花!お花!!


■第二場:夕霧楼
《セットのイメージ/座布団二つ・小机・あんどん赤・開閉式襖・背景平屋台女郎宿》

(舞台は夕霧楼の一室。夕霧楼の女将がお花に話しかけている。)


女郎屋の女将:お花。いい加減、過去のことは忘れなよ。お前はもうここで生きていくしかないんだから。


お花:(悲しげに)女将さん…


女将:あんたが自分の意思でここに来たわけじゃないのは誰だって分かるよ。でもねぇ、お花。あたしたちみんな同じなんだよ。みんなここから出たいのに、ここで生きるしかない。あたしたちは籠の鳥(かごのとり)なんだよ。身請けだって安くない。第一、たかが女郎に身請けなんてする奴がどこにいるんだい。


お花:女将さん、あたし…


女将:あんたなら器量も頭も良いからすぐこの夕霧楼の稼ぎ頭になるよ。ここでしっかり働きゃ他のみんなよりもいい飯が食えるんだ。それにもし逃げ出そうとでもしてみな。その時はあんたの旦那やここを仕切ってる一家の親分があんたをどう扱うか分かるだろ?


お花:それは…(意気消沈)



(回想シーン:幼い頃の清太郎とお花が仲良く遊んでいる場面。)


幼いお花:清さん!大きくなったら、お婿に来てね!


幼い清太郎:ああ!おいらがお花を迎えに来る!


(回想終わり)


お花:あたしは、どうすりゃあ(涙をこらえ)…。(急に立ち上がる)女将さん!ごめんなさい!


女将:あっ!お花!お待ちよ!


(お花は女郎屋から逃げ出そうとするが、そこにお花の旦那が立ちはだかる。)


お花の旦那:おいお花!どこへ行きやがる。お前は俺の借金を返すためにここで働いているんだろ。


お花:あんた……


旦那:身請けで他の男に渡すわけにはいかねぇし、お前をここから逃がすなんてもってのほかだ。お前にはしぬまで俺の博打代を稼いでもらうからな


お花:(怒り)あんたのせいだよ!全部、あんたのせいだよ!(泣きながら)あぁ、なんであたしはこんな男と一緒になっちまったんだ…!(後悔)



(二人が取っ組み合ってると、そこに一家の親分が現れる。)


一家の親分:騒がしい!何をごちゃごちゃわめいてやがる!


お花の旦那:へい!親分!(ひざまづく)お花の奴がまた変な気起こしやがったんです


一家の親分:(お花を見る)ほう…ずいぶんと気が強ぇ女じゃねえか。面(つら)はなかなか良いのにもったいねぇ。目を見る限り、お花、おめぇは誰かに想いを寄せているようだな?


女将:ほらお花、頭を下げな!(お花と共に土下座)


一家の親分:なぁお花、その想い人とやらはお前を買うだけの金はあるってぇのか?


(お花は答えられない。)


一家の親分:(嘲笑)やっぱりな!こいつのことだ。通りすがりの旅人にでも見惚れちまったんだろう。ただの旅人ごときにそんな金があるわけがない!ハッハッハ!


(お花の旦那も笑い出す。女将も合わせて笑い出す。)


お花:(頭を下げながら耐えて)ああ、清さん……! あたしも清さんと一緒になりたかったよ…!


■第三場:一家の企み
《セットのイメージ/二重屋台(一家)・木戸・板かべ木・窓・かつま木・街屋かべ・座布団二つ・長火鉢・火鉢棒・木の段・上手側に板つき大&小・任侠障子・目隠し二枚・階段・箱馬・親分のキセル》

(一家の屋敷。一家の親分が手下に指示を出している。)


一家の親分:この宿場町(しゅくばまち)一帯を、わしら一家のものにするからな。邪魔するやつは容赦なくたたっ斬れ。


手下:へい!


親分:茶店も片っ端から潰して賭場(とば)と女郎屋にするぞ。茶店の幼い娘なんかも女郎にしちまえ。


手下:へい!


《時間あれば親分と手下のアドリブでこんなこともやるぞこれもこれも!ーって笑いの場面追加してOK。例:オンラインカジノもやるぞ!へい!とか。手下に無茶ぶりも可 笑笑》


親分:それから夕霧楼のお花…あいつは俺の女にする。おめぇもそれでいいよな?


お花の旦那:へい!親分の好きなようにしてやってくだせぇ!お花も泣いて喜びます


親分:明日にでもお花を連れて来い。逃げ出そうなんて気にならねぇようにしっかり可愛がってやる…



■第四場:清太郎の出撃
《セットのイメージ/一場と同じ》

(舞台は宿場町の外れ。清太郎が一人、自分の刀を見ている。)


清太郎:(独白)お花…。必ずお前を助けてやる。


茶店の娘:旅人さん!本当に一家に行くんですか!


清太郎:ああ、ここを出る前に俺はやっておかなきゃならねぇ。幼馴染のお花を助け出し、お花をこんなひでぇ目に遭わせた奴らを倒す。そしたらお花みたいな思いをする娘もいなくなるんだ。

娘さん、この茶店で食べた団子の味は忘れません。故郷みてぇに、あったけぇ味でした。


茶店の娘:旅人さん、無茶ですよ。旅人さんは一人、相手は大勢です!


清太郎:なぁに。俺は旅をしながら人に言えないことだってしてきたんだ。簡単には負けやしません。


女将:旅人さん!旅人さん!(茶店前に走ってくる)


茶店の娘:夕霧楼の女将さん!


女将:お花が、あんたの幼馴染のお花が、一家に連れて行かれちまったよ!


旅人:お花が…!?

お花、俺が行くまで(刀を握りしめる)待っててくれ!(走り出す。)(イメージとしたら、舞台の花道奥にダッシュするみたいな)


■第五場:熊五郎一家との対決
《セットのイメージ/三場と同じ+金の入った木箱・小判包沢山》

(舞台は一家の屋敷。清太郎が乗り込んでくる。)


お花:離しとくれ!やめとくれお前さん!


お花の旦那:じっとしやがれお花!おめぇは今日から親分の女になるんだ!


お花:嫌だ!あたしは清さんと一緒になるんだ!こんなことなら、こんなことなら、清さんと会えたあの日に毒でも飲んで死んどきゃあ良かったよ……!


清太郎:お花ー!(一家に現れる)(イメージとしては客席後ろから真ん中の道を通り舞台にかけつける)


お花:清さん!


お花の旦那:お、おめぇは!


清太郎:てめぇらもう許さねぇ!(刀をかまえる)


(手下たちが出てくる)(清太郎が手下たちを斬っていく)(一家の長火鉢や障子を斬り倒していく勢い)

(清太郎、震えるお花の旦那に刀を突き立て近づく)


花の旦那:ひっ…!待ってくれ!金なら一家にいくらでもある!全部持って行け!だから…だから命だけは助けてくれ!


清太郎:てめぇ、どこまで腐ってやがるんだ!


(清太郎、お花の旦那を一斬りし、奥にいる親分に向き直る。)


清太郎:一家の親分!出てきやがれ!


一家の親分:(不敵な笑みを浮かべ)よぉ…俺が親分の熊五郎だ。ずいぶん派手に暴れてくれたなぁ清太郎


(熊五郎、お花を人質に取る)


お花:きゃあ!


清太郎:お花!


熊五郎:清太郎。おめぇ、下手に動きゃあお花の喉をかっ切るぞ。それでもいいのか!?あぁ!?


清太郎:お花… お花にだけは…!


お花:大丈夫よ清さん。あたしは大丈夫。


清太郎:お花、


お花:清さん。あたし馬鹿な女だからさ、こんな最低の男に惚れっちまって一緒になっちまってさ。この人が博打で作った借金のカタに女郎に売られて、こんなんに堕ちちまった……。清さん。あたしは苦しい毎日を過ごす中でずぅっと、あの時清さんと一緒になっていりゃあ、って何度も何度も考えたよ。ずぅっと清さんに会いたかった。だから絶対あたしは自由になるって決めたのさ。籠の鳥になんかなりゃあしないって。あたしだってねぇ…小刀くらい隠し持ってるんだよ!

(前帯から小刀を取り出し熊五郎の喉を刺す)


熊五郎:ぅうっ!(喉を刺されひるむ)

(お花、逃げる)


清:お花、こっちだ! 熊五郎、覚悟しやがれ!


(清太郎、熊五郎に刀を振り下ろしてたたっ斬る)


熊五郎:(悲鳴)(倒れる)


お花:清さん…!


清:お花!もうお前を離さねぇ!


(抱き合う)

■終幕:夫婦(めおと)旅立ち
《セットのイメージ/一場と同じ+主役二人旅人の衣裳に着替える。背負い荷物二人分・傘二人分》

(舞台は宿場町の出口。昼間。清太郎とお花が茶店前に並んで立っている。女郎屋の女将と茶店の娘が笑顔で見送っている。)


女郎屋の女将:(二人の前に進み出て)さあ、お二人さん、旅立ちだね!


お花:(笑顔で)はい、女将さん。お世話になりました


清太郎:(女将に)今までお花をありがとうございました。


女郎屋の女将:(二人の手を取り合わせ)さあさあ、夫婦(めおと)になったんだから、こうして手と手を取り合って、力を合わせて旅をするんだよ!


お花:(顔を赤らめ)はい!


清太郎:(お花の手を握りしめ)ああ、行こうか、お花!


お花:行きましょうか、清さん。


茶店の娘:お二人さん、お幸せに!


町の人たち:お幸せに!


女郎屋の女将:さあさ、元気に行ってらっしゃいな!


(二人は笑顔で手を振り、街道を歩き出す。)(イメージとしては花道前で立ち止まる)


清太郎:(お花を見て)夫婦(めおと)手と手を取り合って


お花:(清太郎を見て)道中(どうちゅう)雨雲(あまぐも)何のその


清太郎&お花:(舞台客席を見て)お花清太郎、▲(元気に力強く) 行ってまいります!


《◝⁠(⁠ ⁠•⁠௰⁠•⁠ ⁠)⁠◜⁠▲で木頭のチョンっ!て音があればめっちゃ大衆演劇みたいになります笑》


(二人は手を取り合い、日が照らすの中、元気よく旅立っていく。)(町の人は声をかけながら見送る)



(木頭が鳴る中、主役2人は花道からはけるイメージ。舞台の幕がゆっくり降りていくイメージ)









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