【マンガ語り】怪獣自衛隊とかいう極上の架空戦記について語りたい
こんにちは、K.K.です。
ゴジラの新作とか公開されていますが、私はマンガの方が楽しみやすい人間なのでこっち読みました。
タイトル通り架空戦記としてはかなり面白いと思います。ゴジラは見たら面白かったか、怒りを覚えるほどつまらなかったら書くと思います。シンゴジラすら観てないので観る確率は限りなく低いですけど。
やっぱり最初のゴジラが至高だよ。ホラー感満載なんだわ。
作品情報
タイトル:怪獣自衛隊
著者: 井上淳哉
既刊:13巻、続刊中(2023/11/26現在)
コレも地方の書店では手に入りにくいと思います。売ってるの見た事ないです。
携帯で読むべからず
見開きの大ゴマが多いので携帯で読むと残念な感じになります。電子版はタブレットを横持ちして読みましょう。
そうじゃないなら紙で買ったほうが絶対いいです。
お話
正体不明の巨大生物が客船を襲ったり、都内で暴れ回ったり、高知県を壊滅させたりします。
政治家は吐きそうな責任を追い、外国と駆け引きをし、現場の自衛官、警官が全力で対処し、民間人は勝手なことばかり言いつつ団結したりします。戦う公僕がカッコいいマンガです。
とにかくヒロイック
政治家が葛藤&決断をするシーン、自衛官が活躍するシーン、殉職するシーン、そして、「民間人が協力するシーン」どれも熱くてヒロイックです。
未曾有の「怪獣」という災害に国家が、人々がいろいろなレベルで立ち向かいます。みんな自分がやるべき事をします。
わかりやすいヒーローマンガです。ヒーローは無数にいますがね。そこがいい。
溢れるB級映画感
私、B級映画、しかも人が喰われるやつが大好きなんですがこのマンガの怪獣は「人を食います」
たくさん喰われます。なんならち○こ咥えた女が怪獣に咥えられるシーンとかあります。最高です。
主人公:防人このえ
命のバトンを受け取って強くなっていくタイプの主人公です。
とにかくきっちり主人公をしています。困難にぶち当たったり悲劇に見舞われるたびに成長するのです。
主人公のあるべき姿でしょう。感情移入しやすいと思います。
ミリオタが忘れちゃいけない視点
この3枚の画像が一般人の感覚です。一般人と話をする時は視点を下げましょう。
以上Kindle版13巻より
正直マンガ読んでてウルッときたのは初めてです。ピンチに爆音を鳴らして駆けつけてくれる戦車、戦闘車、戦闘機は一般市民の士気を爆上げするでしょう。
自衛隊に声援が送られるなんてロクな状況ではないです。でも、彼らが頼りなんです。吉田茂元首相も言ってましたしね。
架空戦記として
民間人がいるところで自衛隊は全力が出せない
民間人がいるところでJDAMは使えないし16式は主砲をぶっ放す事はできません。都内で市街戦をやる時はM2重機関銃(車載)が最大火力、陸自はせいぜい海に向かって120mm重迫撃砲を撃ち込むことが最大火力。普通科はカールグスタフがメインウエポン。空自だってJDAMをぶち込むのは民間人がいるエリアでは無理です。
いざという時はちゃんと警官や市役所職員、県庁職員の言う事を聞きいて迅速に戦場から離れましょう。
え、客船に魚雷ぶっ放した?アレは首相が違うから……。
役所vs「災害」
役所ってのは…というのは普段役所(しかも陸自空自、たまに警察)と商売してるから感じるリアルです。
いや、怪獣自衛隊において役所がここまで協力できるの奇跡やぞ。
災害vs役所は「災害初動期指揮心得」を読んでおくと「怪獣自衛隊」をよりリアルに感じられると思います。「災害初動期指揮心得」はKindleでタダです。紙の本では逆にないヤツです。もしかしたら国交省のHPあたりでPDFがDLできるかも。東日本大震災で、国交省が道の啓開にあたる時や被害状況の確認やなんやで何してたか克明に記されています。
怪獣にAPFSDS(徹甲弾)をぶち込め!!
16式機動戦闘車の対戦車装備のうち93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾(Wikipediaからコピペ、以下徹甲弾)が怪獣を穴だらけにします。
怪獣映画だと徹甲弾は地味なため使いにくく、対戦車榴弾を使いがちです。怪獣に徹甲弾を喰らわせろと突っ込む無粋なミリオタはこのマンガを読め。最後まで徹甲弾たっぷりだ!
なお16式も怪獣の攻撃を無力化したりするので、つっよ!となりました。
怪獣映画じゃやられ役になりやすい戦闘車両や戦闘機がしっかり活躍します。
こんなに自衛隊が活躍するのを見るの、ガメラ3でイリスに戦車隊が集中射撃したりF-15がイリス振り切ったりしたりなんか以来だよ。
怪獣にも生態系がある
ちゃんと設定されてます。2時間に収めなきゃいけない映画と違って調査、探索パートにもしっかりページが割けるのがいいですね。
そんなわけで
とまぁ妙に説得力があります。この辺をみて極上の架空戦記と思いました。