見出し画像

一方的な主張では通らない

こんちは、かわこうです。
最近読み始めたのがこの本。

[著者]
鎌田華乃子(かまた・かのこ)
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン理事/共同創設者
神奈川県横浜市生まれ。子どもの頃から社会・環境問題に関心があったが、11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO)を実践する地域組織にて市民参加のさまざまな形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。ジェンダー・性暴力防止の運動にも携わる。現在ピッツバーグ大学社会学部博士課程にて社会運動に人々がなぜ参加しないのか、何が参加を促すか研究を行っている。

本書より

この本の中で、社会活動に、従来からの活動には「一方的な主張」「攻撃的で近寄りがたい」といったイメージがある。それでは人は動かない、という話があります。

どうすれば、自分が解決したい課題に対して動いてほしい人が動くのか、よく考える必要があるわけです。
この本で取り上げられている事例をかいつまんで紹介します。

著者は学生の頃、大学の食堂の食器をリサイクル食器に変えるプロジェクトに取り組むことにしまし、まず署名を集めることにしました。それを先生に報告すると、「その課題の意思決定者は誰?署名で変わる?」と。
これまでも要望はバラバラとしており、大学側は全ての要望を聞き入れることはできないので、要望は無視されていました。
調べてみると、学食は大学の施設部が事業者に委託しているものなので、施設部を巻き込んで学食会社に要望する方法に切り替えると、学食会社は「リサイクル食器に変える」と、要望が通ったのです。

本書より要約

私はNPOの活動にとても興味を持っています。
NPOの資金調達の仕組みは、助成金・寄付・クラウドファンディングなどいろいろあると思いますが、行政からの委託を受けられるかどうかが、安定的な団体運営に大きく関わってくると思っています。

そして、行政がNPOに何かしらの事業を委託するには当然資金が必要なので、行政に予算をつけてもらう必要があります。

例えば、最近こども家庭庁では、「NPO等と連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業」というものを始めていて、この事業のモデルとなる事業を募集しています。
申請主体は市町村なので、役場が国に申請して、採択されれば国から市町村にお金が出て、市町村はその資金を使ってNPOに委託して事業がスタートするわけです。

こうすると、NPOは行政から委託料の支払いを受けながら事業の運営ができるため、安定的に運営ができます。

この際に、どうやって役場を動かすか

まずは担当の子育て支援課の担当者に相談に行くことになると思います。
この担当者とは良好な関係を保ち続ける必要があるので、この人が気持ちよくない行動はあまりしないように心がけた方が良いです。

この担当者は、上司への説明、最終的に予算をつけてもらう財政部署への説明をしなければいけないわけです。その意思決定で重要になるのが、関係者がどう言ってるかということです。

行政における政策決定プロセスでは、有識者による検討会議が用いられることが多いです。有識者会議でこういう話になっているのであれば、予算をつけないといけないな、となることがあります。
もしくは、議会からの要請があったら、これも予算をつける理由になります。

どういう方法で予算をつけさせるか、担当者が味方になってくれた場合は、そうやって一緒になって考えていくわけです。
議員も、団体側の意思が伝われば、動いてくれる可能性があります。

一方的な主張では、役場は動かないでしょうし、主張する側も徒労に終わります。主張するなら、効果的な方法を使いたいですよね。

団体が何か活動をしたい、と考え、行政を動かしたいと思ったら、どうやったらその中の人が動こうと思うか、権限、力関係はどうなっているのか、よくよく見てみると、糸口が見つかるかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!