有難みはその時を迎えて気づく

もうパソコンがない生活は耐えられないかもしれない。最近とみにそう思う。外出自粛に入る前まではパソコンを起動するのは休みの日くらいで、一週間に活動している時間は二日くらいだった気がする。

それが新型コロナイウイルスの感染拡大により、仕事も強制的にリモートになった瞬間に大活躍だ。

これまで漫画の作業時(でもiPadがあるから主に動画と資料作成の時)くらいしか利用していなかったパソコンの存在感が一気に増した濃い2か月間だった。もうないと不便で仕方ない。壊れたら泣いてしまうと思っていた。

なのに、それなのに。

今朝、パソコンのモニターが突然おかしくなった。

画面を見ていたら、いきなり横線がたくさん入って画像が二重にぼやけている。

異常事態だと気付いて、これをいつ頃購入したかを思い出そうとして冷や汗が出た。

3年近く経っていないか?

モニターの保証期間ってどのくらいだっけ??EIZOの保証期間は長かった気がするが、もし過ぎていたら…。

急いで普段は絶対に触らない保証書を探し出した。パソコン、iPad、ワコムなど、とにかく精密機械に関して私は明るくないから保証書は絶対になくしてはいけないと思っていた。

でも反面、買った当初はそんなトラブルが自分に起こるとは考えつかなくて「大丈夫でしょー。10年くらい保つって聞いたし。10年たったら買い替えるよ」と気楽に考えてもいた。

購入した時の自分万歳。いつ何が起きてもパソコン系の書類はすぐ取り出せる所にしまっていたので、1分もしないうちに発見した。

急いで中を見るが、保証書にレシートを貼ってなかった。

やばい。ないと受け付けられないと言われたらどうしようと思って、茶色の封筒を漁った。底の方に頼りなく、折り目をつけて縮こまったレシートを見つけた。

購入した日付を見たら、ちょうど、あと一か月で保証期間が終わる三年目だった。

「良かった…」心底思って口から出た。

急いで修理サポートに電話して受付をしてもらった。

「保証期間内なので、おそらく今回の症状ですと修理代は無料です」スタッフさんの一声で安堵して壊れたモニターを見た。(放電、ドライバの更新、電源を立ち上げなおす、どれも試し済み)

3年の間に私はいろいろな場所に移動したなと思った。パソコンはその間、一緒に景色を見て回っている。引っ越し時、何をおいても最優先に大事に扱わないとと思って、引っ越し業者に頼めなくて(トラックに無造作に積まれるのが怖いチキン)母に車を出して貰いパソコン本体は自分で抱いて助手席に乗り、モニターは後ろの席で赤ちゃんのように気遣いながら運んでもらったりした。

そんな風に慎重に大事に扱っていたモニターが、もう使えないと言われてしまったら、今の私には買いなおす財力はないよと震えあがっていたから。

保証期間って本当にありがたい。めったに使うことがないから有難みを実感する機会なんてそうそうないけれど、もう私は忘れないだろうと思った。

高価な精密機械を買った時には必ず保証書類を分かる場所において、いつでも頼れる状態にしておくこと。

その時は本当に予期せぬタイミングでやってくるから。

肝に銘じながら修理の回収業者が来る日を待っています。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?