何かを世の中に残すなら、YouTubeがベスト? (YouTubeが100年後も潰れない理由)
今回はひとつ、トンデモ仮説を書いてみようと思います。
記録媒体それぞれ
世の中には様々な記録媒体がありますが、それらには長い目で見たときの寿命というものがあると思うんです。
(長い目で、というのは、例えば100年ぐらいのスパンで、としておきましょう。)
テレビやラジオのような記録を前提としていない放送は、まず生存ランク外です。
CDやDVDのような円盤メディアは、再生機器が生き残るかどうかに左右されすぎます。再生機器が無い時代では骨董品のような扱いでしょう。
再生機器がいらず、電源がなくても表示できる物理媒体、紙の書籍は相当強いんです。
一度でも出版して世界にバラ撒いてしまえば、どの時代でも閲覧することができます。紙のアーカイビリティを他の媒体が簡単に超えることはなかなかできません。
そしてインターネットはどうでしょう…?
インターネットはアーカイブ性が非常に高いメディアです。しかし、インターネットの多くのサイトはいずれ無くなってしまう可能性があります。
00年代に一斉を風靡したジオシティーズのような巨大サイトでさえ、サービスが終了し、貴重なアーカイブが消失してしまいました。
(中にはWebArchiveにコピーされているサイトもあります)
SNSもいつかは終わってしまう?
SNSはどうでしょう? SNSは、そもそもが短期的な情報発信のためのプラットフォームですから、本来はアーカイブに適していません。
古のSNSである前略プロフィールも、あれだけ当時の若者の間でバズり倒したのにサービス終了してしまいましたし、同様にショート動画SNSの先駆者であるVineも諸事情により終了に至っています。
数千万人から数億人の規模でユーザーを抱えるサービスの場合は、かかる運営費用も少なくないでしょうし維持は大変でしょう。
悲しいですが、mixiやAmebaのようなサービスだって、何十年後かは分かりませんが、きっと無くなってしまうかもしれません。
TwitterやInstagramだって、未来栄光ずっと存続しているかどうかは分かりません。
SNSもいつかはサービス終了を迎えるということを我々は認識しなければならないのです。
YouTubeは最強?
では、YouTubeがなぜサービスとして生き残るのか?
一旦YouTubeというプラットフォームの特徴を整理しましょう。
まずYouTubeは会員登録やログインせずに視聴できます。
動画のアップロードは登録が必要ですが、誰でも無料で制限なしに投稿ができます。
また、TikTokのような尺が短くファストなサービスとは違って、YouTubeはアーカイブとして観やすいデザインになっています。
TikTokはスワイプで次々と再生することを目的としており、一覧性を重要視していません。
YouTubeは、ファストなエンタメ以外にも資料のような動画をじっくり閲覧するのに適した安定したデザインといえるでしょう。
そういった閲覧性の強さから、クリエイターにせよインフルエンサーにせよ、自分の作品をYouTubeに投稿しておくのが最も手堅い一手となっています。
今や全人類がYouTubeに動画を投稿する時代です。
YouTubeは既に人類の基礎インフラなのです。
では、そんなYouTubeがサービスを終了してしまうときは来るのでしょうか?
僕は、むこう100年は生き残るのではないかと考えています。
考えてみてください。YouTubeは天下のグーグル社(親会社Alphabet)が運営しており、YouTubeは彼らにとって莫大な収益源となっています。
そうです。もしも世界のトップ企業がYouTubeというダイアモンドの果実を捨てざるを得なくなったとき、それはきっとリーマンショックやパンデミックとは比べ物にならないほどの人類未曾有の危機が訪れたときでしょう。
YouTubeはきっと終了できない
更に、YouTubeには別の大きな価値があります。
それは2005年から続く膨大なアーカイブです。
小学生の頃からインターネットを使っている僕は、YouTubeがサービスを開始した当初から知っています。
2011年の東日本大震災の時も、リアルタイムにYouTubeにアップされた被災地の状況の動画を閲覧していました。
そしてそれらは今でも再生することができ、当時の人々の生の記録を直接知ることができます。
YouTubeでは、個人や公式を問わず世界中のアカウントから情報が発信されており、世界中のありとあらゆる出来事、世界情勢、カルチャー、その全てが詰まっています。
YouTubeには、21世紀初頭以降の人類の全てが記録されています。
他の動画サイトやSNSサービスのデータとは比べ物にならない巨大な動画アーカイブが存在するのです。
そしてそれらの人類のアーカイブは、きっと未来の人類にとっても絶大な価値を持つものでしょう。
さて、これらの莫大な資産が何らかの未曾有の危機によって跡形もなく消えてしまうことなどあるのでしょうか?
グーグルが、人類の膨大な記録を消し去るという(ジオシティーズのときのような)選択をするでしょうか?
仮にもしそうなったとしても、世界のどこかの資産家や団体、政府、あらゆる実力者達が全力でYouTubeを終了させないために支援や投資をすることでしょう。
ここまで考えると、自ずとYouTubeが未来まで生き残るかどうかが分かってくるかと思います。
この文章を読んでいる間にも、動画は次々とアップロードされてゆきます。
YouTubeのサービス年数が継続すればするほど動画は増えていき、アーカイブの価値は線形的増加を遂げます。
そしてますますこの世界でYouTubeを生存させる希求は強まるでしょう。
つまりこの仮説に基づけば、YouTubeは核戦争によって世界がメチャメチャに破壊されない限りは生き残るプラットフォームといえるのです。
YouTubeは不滅なのです。
◇ ◇ ◇
そこでデータは終わっていた。大当たりだ。やはりストレージだった。
地下150mのこの石棺に守られた高密度結晶を発見したとき、私は単独での探査を志願した。
当時存在していたnoteという日本語のサイトだ。たまたま開いたこのKKという筆者のデータには特別な価値は見受けられないが、その他の日本語の情報には前世紀の膨大な人類史としての価値があるだろう。
私はそれらのデータをアームで読み取った。この結晶ストレージには、noteだけではない雑然としたデータが油田のように眠っているようだ。本格的に人員を招集して調査チームを結成しよう。
そうして私は再び石棺の外へと機体を踏み出すと、ガイガーのカリカリという音が鼓膜を擽った。
2122年 7月1日 JPNLKL-9583-N-Y9267A
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