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俺たちはここで生きていく

何かが変わる時には、

一時的な大きな変化が起きる


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自分が望んでいる、望んでいない関係なく、

こうした変化は必ず起きる。


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逆に言うと、大きな変化がないと変わらない


僕が、今回のお伝えしているような出来事は、僕にとっては労力を使う大変な出来事ではあった…


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しかし、この出来事のお陰で、大きなものを得た。

それは、人からの信用はどこから


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人の信用をどうやったら得られるのか?

この出来事から、深く考えるようになった


意図的に何かをするのではなく、自分の今置かれた状況を考えて、何をすれば良いのか?人との関わりの中で、何が大事なのか?


自分の出来ることをまっとうし、目の前の相手の気持ちに応える


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このことを 僕は、実体験で知った。


(農家の決意)


この出来事の最後の仕事。

土地を借りていた農家さんに会いに行くこと。


都留市役所の○○さんが、車で農家さん宅まで連れて行ってくれる、というので、お言葉に甘えてお願いした。


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市役所○○さん「なんでこうなったんでしょうね?」

僕「会社の皆が、同じ気持ちではなかったからだと思います」


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市役所○○さん「とても良い企画でしたよね。この企画は」

市役所○○さん「ホントに期待してたからなー」

僕「そうですか・・・・」


僕ら以上に、この事業に期待してくれている人達がいた。

上手くいかなかったが、人を幸せにするということは、こういうことなんだと思った。


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希望を持たせること



農家さん宅に着いた。


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親子夫婦で一緒に農家の仕事をしている家族だった。


主(Fさん)70代の農家さん、奥さん。その息子さん(30代)と息子さんの奥さんが待っていた。


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僕「はじめまして、株式会社ガイアアグリサポートの社長のKです」


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Fさん「ずいぶん若い社長さんだね」

僕「はぁ・・・・」


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息子さん「はじめまして。まずお話しを伺いましょう」

僕「はい。Sが・・・・・」


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今までの経緯を話した。

凍り付いた空気が流れた…


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息子さん「この話はダメになったということですね」

僕「はい。本当に申し訳ございませんでした」

 「誤って、許される事ではないと思います…」


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Fさん「なんでSさんは、来ないの?」


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僕「Sとは連絡が取れないんです。何度も今回の事で、電話しましたが」

 「それで、私だけが来ました」


息子さん「うちもね、この話にとても乗り気だったんだよね」

    「土地を使ってもらえるしね」

    「なんでこうなったの?」


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誰でもこの事業がダメになった理由を聞くのは当然だ。

補助金ありきの話で、補助金が申請できなのでは話にならない。


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しかし、あり得ないことが起きてしまった。

この会社の外にいる人たちにとっては、納得できないのは、当然だった。


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しかし、今までの一部始終を話すしかなかった…


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Fさん「だから俺はおかしいと思ったんだよ、あのSは、何か信用できなかっ   

     たんだよ」

息子さん「でも、オヤジもやってみようと思ったんだろ」

僕「・・・・・・」


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Fさん「まー、しょうがないだろう」

    「この人も、遠くから誤りにきてくれたんだから」

   「Kさん、ちょっと外に出ようよ」


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Fさんは、僕を家の裏にある農地に案内してくれた。

Fさん「ここだよ。あんたらに貸そうとしていた土地は」


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水道も畑のすぐ近くにあり、水やりも問題ない。


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このFさんの所に来た時期は真夏。

そして畑に案内されたのは、ちょうど夕方になりかけの時間だった。


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Fさんが話し始めた。


Fさん「俺たちはね、こうして生計を立てているんだ」

   「でもね、農業をやる人が少なくなって、土地だけが余っている」

  「俺たちも生きていかなくちゃいけない」


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僕「余った土地がある事は、聞いています」

Fさん「あんたも農業に興味があってこの仕事をしようと思ったんだったら

             覚えておいてくれよ。農家の気持ちを」


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 「これから農業に携わる仕事するの?」

僕「いや~・・・・もうしないと思います」


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Fさん「まー、もし農業に携わる仕事を今後することがあるなら…」

    「俺たちはここで生きていくんだ。そういう人間の事も考えてくれ    

    よ」


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国道にも近いこの土地は、砂ぼこりも舞っていたが、清々しい風にも感じられた。

びっしょり汗でぬれたワイシャツも、少し乾いていた。

つづく…



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