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そこにあるのはただの好き

さっき見終えた映画が、とても暑い日に飲んだ炭酸ジュースの一口目に似ていた。

口に入った瞬間ちょっと苦しい、でもその後は、気持ちいい。

「はあ」と息が漏れた後に、襲われる爽快感。意図的ではないその行為の後は、空を見上げる。


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私はBL作品に抵抗がない人間ではあったが、作中で描かれるキャラクターの心理描写に気持ちを重ねる事もなければ、共感する事もほとんどない。でも、作品は好きだった。

それは、自分が一切関与しないから、なのかもしれない。



作品を見る上で第三者の視点から見る事は当たり前なのだが、誰しも時には自分と重ねてしまう事も多いだろう。


私はそんなに恋愛経験がある方ではない。



むしろ、恋愛の優先順位は低い。



だが、今回の映画を見て思ったのは「この、人を好きになる気持ち、知ってる」という事。


もしも、好きになった相手が同じ同性だったら。


でもそこにある想いは、他にもごまんとある地球上の結ばれたり片想いだったりする人達の「あなたが好き」な気持ちと同じ。


時々に描かれる素直な、または素直になった心理描写が好きな映画でした。

最後はきっとお別れして、そしてまた会えるまで待ち続けるんだろうなと予想していたが、見事に裏切られた。


「違うだろ」


最後に自分にそう言い聞かせ、素直な気持ちを相手に伝え、一緒に人生を共にしていく、そんな終わり方。


そこには、男も女も歳も場所も地位も何もかも関係ない。


そこにあるのは、ただの好き。



#海辺のエトランゼ

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