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近くて、遠いあの子。

遠くでアラームが鳴り、布団の中でもぞもぞする。
手だけ伸ばし、スマホの画面で何時か確認してから一旦目を瞑る。
5分経ち、ようやく目覚める気になった体を捻りながらもう一度スマホを手に取る。今度はしっかりと。
そして、noteのアイコンを開いて"彼女"の姿を探す。

この一連の動作は、すっかり私の毎朝の日課になっている。
私と同い年の"彼女"は、毎日note投稿を続けている。
会ったこともないし知らないけど、どうしてか毎朝見たくなる。
作家さんやエッセイストではないから、めちゃくちゃ文章がうまい!と思うわけではないのに、なぜか。

彼女のキャラクターが、どうしても私を惹きつける。自由奔放でいながら、堅実にも見える。ロマンチストなのか、冷めているのかもわからない。一見して自慢にも取れるようなことをさらっと書いてしまうのに、不安な気持ちや恥ずかしかったこともこぼす。「私と似ても似つかないな、この子」と思って見ていたら、自分の身にも覚えのある感情の動きを見事に言語化しているような一文に出会ってしまったりする。

そう、彼女はどこまでも等身大なのだ。誰かのかっこいいセリフを自分のものかのように吐いたりしない。
「全部が間違いなく"彼女"から出てきた言葉だ。」
そう信じさせてくれる真っ直ぐな文章。

私もこんな風に等身大に発信してみたいと思いながらも、できない自分がいる。
近いようで、遠いあの子。遠くに住む会ったこともない女の子。
明日の朝も、きっと彼女の投稿を見てしまうだろう。
おやすみ、また明日ね。


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