八村塁と渡邊雄太の所属チームを考察する
またもやNBA記事です。
今回は2人の日本人NBA選手、八村塁と渡邊雄太が奇遇にも先日のトレードデッドライン(NBAで決められたトレード実行の締切日)でチームが大きく変わったため、この2人の目線+新加入選手を紹介します。
①ロサンゼルス・レイカーズ
西13位、28勝32敗(2/26時点)
新加入選手
1.デアンジェロ・ラッセル
もともとはレイカーズに2位指名され、その後ブルックリン・ネッツ、ゴールデンステート・ウォリアーズ、ミネソタ・ティンバーウルヴズと渡り歩いて古巣に戻ってきました。
PGとしてゲームメイクのセンスに優れており、勝負所で見せる強心臓も強みです。3Pも高確率で沈めるためレイカーズにはぴったりの選手といえます。
2.マリク・ビーズリー
3Pシュートが持ち味のSGです。
デンバー・ナゲッツではジャマール・マレーとポジション、スタイルが被りベンチスタートが主な選手でしたがレイカーズでは移籍早々にスタメンになるなど、期待されている選手です。
3.ジャレッド・バンダービルト
206cmと高身長のSFです。
今経歴を見て初めて認識したのですがトレード先まで含めてビーズリーと所属チームがずっと一緒という珍しい2人組です。
先ほどの2選手と比べると得点力はそこまで高くありませんが、高さを生かしたディフェンスとリバウンドはレイカーズにとって大きな助けとなります。
4.モー・バンバ
先ほどのバンダービルトよりも高い213cmのセンターです。
オーランド・マジックに6位で指名されるなど非常に期待の高いビッグマンで、213cmながら3Pも打つことができるオフェンスの引き出しが多い選手です。
線の細さもありディフェンスには若干の難がありますが、それでも高さのあるブロックはゴール下の脅威です。
八村塁から見てトレードはどうか?
そんなに変わりません。
強いていえばポジションの被るバンダービルトが加入しましたが、八村選手はどちらかといえばオフェンス寄りの選手のためあまりトレード前後で出場時間が大きく変化することはなさそうです。
②ブルックリン・ネッツ
新加入選手
1.スペンサー・ディンウィディー
もともとはネッツで花開いた選手ですがウィザーズ、マーベリックスを経てネッツに戻ってきました。
正確な3Pシュートとキレのあるドライブで切り込むPGです。
2.キャム・ジョンソン
ドラフト指名時には「同世代で最高のシューター」と名高い選手でしたがなかなかNBAに順応できずに5シーズンが経過しています。
3.ミケル・ブリッジス
優秀な3&D(3Pシュートとディフェンスを高水準で行える選手)として昨シーズンのサンズの西地区1位に大きく貢献しました。
大学に所属していた3年間で2回もNCAAトーナメントを優勝しているバスケットエリートでもあります。
4.ドリアン・フィニー=スミス
ドラフト外から入団しマーベリックスで活躍した苦労人です。
長い手足でディフェンスに定評がありましたが、ここ2,3年は3Pシュートも精度を上げ、ブリッジス同様に優秀な3&Dとして名前があがる選手です。
渡邊雄太から見てトレードの影響はどうか?
以下の理由から非常に大きな影響があります。
・同じタイプの選手が大量に入ってきた
ネッツの課題はディフェンスで、その意味で3Pでスペースを広げながらディフェンスの上手い渡邊選手は重宝されていました。
しかしながらフィニー=スミスやブリッジスは渡邊選手と同系統のプレイスタイルかつ高水準のプレイを行うため、出場機会は大幅に減少しています。
・エースが2人いなくなった
渡邊選手は自分でボールを持ってオフェンスできるタイプではなく、フリーのタイミングでシュートを打ついわゆる脇役タイプの選手です。
しかしながら主役のケビン・デュラント、カイリー・アービングが移籍してしまったことで渡邊選手にパスを出す選手がいなくなり、活躍のチャンスがなくなっています。
・契約が他の選手と比べて弱い
渡邊選手の契約は単年で最低年俸ですが、他の選手は複数年契約で来シーズン以降も保証されている選手が多いです。
来シーズンいるか分からない、若いわけでもない最低保証の渡邊選手は必然的に優先度が下がってしまい、複数年契約の選手をメインで使うことは無理のないことです。
ということで新加入選手を書き出してみると、
渡邊選手、ピンチです。
とはいえ彼はNBA挑戦の初期からずっと周囲に「無理だ」と言われながらも逆境を跳ね除け今なおNBAに残っている、メンタルも技術も素晴らしい選手です。
八村選手も決して安泰ではなく、競争の激しいNBAに残るためにより一層の奮起が期待できます!
オールスターが終わり後半戦を迎えるNBA、ぜひ皆さんもニュースだけでも追ってみてください。