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拝み屋見聞録 序章 + 拝み屋見聞録 其の一【不登校の相談 〜オカンと息子と時々、親族〜①②】

拝み屋見聞録 序章
拝み屋稼業の家に生まれ、跡継いで早、20年。様々な業種の方・年齢層の方達の相談を受けてきた。人の悩み・疑問と云うモノは諺の通りに十人十色・千差万別である。

「拝み屋・祈祷師」とは" 顧客の依頼に応じて、お祓いや呪いをしたり、
祈願のために祈りを捧げたりすることを仕事とする民間信仰上の専門家で
ある "とはあるが経験上、相談者の御祈祷の依頼は10人中2.3人位で他の7.8人は相談を聞いて現実的なアドバイスを行う事が多い

最近、相談者からお聞きした話・悩み・依頼内容を話していると周りが
「面白い」「そんな事があるのか」と感心される。この際「面白い」
「そんな事があるのか」と云われる位なら文章にしてみようと思い書き残す

文章を記す前提として、営利を目的としていません。無論、個人を特定される文章なので(仮称)にしています。それ以外は直接本人より聞いた体験談
または私の体験である。只々、書いたモノを誰かが読んで面白いと思っていただければ、それが私の何よりの感謝の極みである

拝み屋見聞録 其の一【不登校の相談 〜オカンと息子と時々、親族〜①】
記憶の中で一番古く印象に残っている相談者の話である。母親に連れられて来られた中二の息子さんだった。この母親は相談室に入るなりに「こちらは最近、息子さんに代わられたから当たらないかもしれないと言われましたが来ました」との第一声。喧嘩を売りに来たのか?このオバハンは!という
込み上げる怒りを抑えながら相談を受けた。ここの「当たらないかもしれ
ない」と云うのは先祖霊のせいなのか?住居に問題があるのか?または今後の指針についての的確なアドバイスが貰えるか?を指す。様子を聞いていると母子家庭で中学生になってから不登校になったという事であった。今でも覚えている母親が息子に放った一言が忘れられない。「アンタは叔父さん
たちにも、どれだけ迷惑かけたら気が済むんよ!」実は私も中二の時に
二週間弱不登校であった。だから気持ちは良くわかる。私の不登校理由は
同級生からのイジメであった。この息子さんの理由は明確になかったと記憶している。今、考えても「アンタ(母親)が原因だろ?そのモノの言い方でわかるよ。子供は迷惑かけようだなんて思って不登校するかよ!」あれ
以来、相談に来られてはないが、この母親は不登校の理由は霊障だと言って欲しかったのかな?と考える。

拝み屋見聞録 其の一【不登校の相談 〜オカンと息子と時々、親族〜②】
上記の相談者よりは時期は近年であるが又、別の母親に連れられて来られた息子さんも中二だった。この相談者の方は不登校の理由はハッキリしていて、同じ部活動の子が顧問の先生からえらく厳しく怒られているのを見兼
ねて仲裁に入ったらしいのだが逆に怒られた事に腹が立って気に食わない
から登校しないと決めているとの事。この息子さんは少し霊感の強い子で
あった。また後日に書くが霊感の強い子は、不登校であったり災難ごとに
巻き込まれる習性がみられる。故に当人には「君は霊感体質だから登校したくないし争いごとに巻き込まれ屋やすいんだから以後は、~~とか気を付けておけば大丈夫」とアドバイスをしてお祓いも行わず話が一段落しそうな
時に同席していた母親が息子に向かって「アンタにな、言うて無いことが
あるんよ」それを聞いた瞬間、私は「何を言うん?絶対エエ事を言わん気がする」「実はな、お父さんは前に離婚しとってな、他に兄妹がおるんよ」「やっぱりーーードエライ爆弾落とすわ!中二やぞ!この多感な時期の上に父親の離婚歴を聞かされ兄妹がおるなんて狂気の沙汰の発言としか思えん!」が然しその息子さんの様子はビックリする訳でもなく怒る訳でもなくイヤに冷静に聞いてる感じ。その後は何もなくお帰りいただいた。次の日
どうしても心配になり母親に電話をしたら、あの話については何も聞かれず普通との事。母親からは「長年ずっと言い出せずにいた。言うなら今しか
ないと思って言わせて貰ったので良かった」この息子さんには高校生の姉がいるらしく、そのお姉さんには告白済みで「なんとなくそんな気がして
いた」と言われたそうです。子供はイヤ家族とはそのようなモノなんだな、コレを先祖の因縁というか?血がそうさせるのか?まさに血縁のなせる相談であった。
「"祈祷師"」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。

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