エレキギター始めてみたchp8「Bon Jovi」

いつか「ＢｏｎＪｏｖｉ」が弾けるようになりたい。

高校生の時、よくレンタルレコード店にＣＤを借りに行った。
「ＣＤラジカセ」で「カセットテープ」にダビングするのだ。
好きな曲を集めて、自分だけのオリジナルテープを作ったものだ。

その日店内で、洋楽が流れていた。
洋楽なんてあまり知らないし、聴いた事もない。
なぜ洋楽だと分かったかと言うと、外国語で歌っていたからだ。
どんな曲だったのか忘れてしまったが、今でも、あの時の気持ちは覚えている。
「♪ドン♪ドン♪ドン♪」
「♪キュイーン！」
初めて耳にした激しいサウンド。途端に曲が一段階盛り上がった。気持ちが高ぶり、心が弾んだ。
店員さんに聞いて見ようかと思ったが、恥ずかしくて勇気が出なかった。
洋楽が気になりだしたのは、この時からだ。

それからというもの、店に行くと真っ先に洋楽コーナーに向かった。
「オススメ」「イチオシ」の文字と、店員さんの手書きのポップを頼りに、気になったＣＤは、片っ端から借りまくった。

ある日テレビをみていると衝撃が走った。
普段、気にも留めないＣＭに釘付けになった。
躍動感溢れる力強い演奏。爽快で疾走感あふれるそのメロディーは、一瞬に私の心を鷲掴みにした。

ボンジョビ。

ドラムの重低音が、拳で打たれてるかのように胸の奥にまで響く。
エレキギターのそれは、まるで雄叫びを上げているよう。

３０年以上がたった今でも、私の心を掴んで離さない。
辛いとき、苦しいときはボンジョビを聴く。一緒に雄叫びを上げるのだ。

毎晩、寝る時に必ず聴いている。
イヤフォンが着けたまま、寝落ちしてしまう。

５０歳を機にエレキギターを始めた。
いつかは「ＢｏｎＪｏｖｉ」が弾けるようになりたい。
今日も、迷惑にならないようにヘッドホンを着けて基礎練習。
「♪ピョ〜ン」

いったいいつになるやら。