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いつ生まれたのか不明な音楽〜Jimmy Giuffre 3『1961』

一日、Jimmy Giuffre 3『1961』を小さい音で流していた。自分の中でジミー・ジュフリーは、すごく気になるけど何ともつかみどころのない人で、そのキャリアの所々をつまみ聴きしている程度だが、この『1961』は常に取り出しやすい場所に置いてあるほど好きな作品だ。

『1961』は、1961年のVerve録音『Fusion』『Thesis』の2枚のアルバムを1990年にECMのマンフレッド・アイヒャーがリミックスした作品である。Verve録音の方は聴いたことがないので聴き比べができていないのだが、『1961』は「ECMで録音しました」と言われても納得してしまうような音質を持っている。そもそも1961年録音というのが信じられないほどだ。

ジミー・ジュフリーのクラリネットにポール・ブレイのピアノ、スティーヴ・スワロウのベースという、痺れるメンツかつ不思議な編成。室内楽のようでありつつ各楽器がクールに丁々発止している。単調に思えて、微細に動き続けるアンサンブルには絶えず一定の緊張感がある。かといって押しつけがましいわけでもなく、BGMとしてさらっと聴き流す人もいるだろう。ECMおよびマンフレッド・アイヒャーに影響を与えたと言われて納得できる音楽性だ。

1961年のジャズ界というと、ジョン・コルトレーン『My Favorite Things』『Africa Brass』、マイルス・デイヴィス『Someday My Prince Will Come』、ビル・エヴァンス・トリオのVillage Vanguard三部作などがある(記憶違いなら申し訳ない)。ビートルズのデビューは翌年。そんな時代に『Fusion』『Thesis』は、あまりにも特異で、エアポケットのような音楽だった。当時どんな受け取られ方をしたのだろう。

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