ロイ・ヘインズの訃報に触れ、長寿のジャズ・ミュージシャンたちを想う
ジャズ・ドラマー ロイ・ヘインズの訃報に触れ、「99」という享年に驚いた。先日、ルー・ドナルドソン 享年98に驚いたばかりだが、それを上回る年齢。すごいなと感心していたら、「マーシャル・アレンは100歳で健在」だとか、ソニー・ロリンズ94歳、秋吉敏子95歳、渡辺貞夫91歳と長寿のジャズ・ミュージシャンの名前がどんどん出てくる。
クスリや酒・たばことか、でかい音で深夜までライブをやったり、長いツアー生活など、健康に良くない環境のジャズ界にいながら、ここまで長生きできるのはなぜか。サックス、トランペットは息を吹き込む楽器なので素人目に健康には良さそう。もちろん若死も多いので何とも言えないが、あんなにタフな生活を続けて90オーバーは素直に感心する。しかも亡くなるギリギリまで現役という人も多い。
ロイ・ヘインズもずっと現役のイメージだったが、なにせチャーリー・パーカーと共演している人なのでキャリアも長い。個人的にはチック・コリアとの『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』をよく聴く。ピアノ・トリオのアルバムとしては3指に入るくらい好きだ。
チック・コリア、ミロスラフ・ヴィトウス、ロイ・ヘインズという世代の離れた最強トリオ。20代のチック・コリアとヴィトウスがフレッシュなのは分かるのだが、ここでのロイ・ヘインズのプレイは、才能ある若手たちに刺激を受けたのか、柔軟でみずみずしい。気がつけばドラムの音を追ってしまう。
昨夜は『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』を聴きながら、ドラマー大坂昌彦氏の記事(フラット・ライドの話は興味深い)を読んだり、YouTubeを漁ったりして在りし日を偲んだ。