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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#256

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#256 :赤ちゃんの保育(その5)

2、赤ちゃんに気をつけてといっても、いつも腕に抱いていなさいという意味ではありません。赤ちゃんも大きくなり、気温が上がって、体が温まっているような時は、いつも子守の腕に抱かれているより、その辺りをハイハイしている方がずっと良いのです。そしていつもあやしているより1人で楽しませたほうがずっと良いのです。

私が今まで見た中で、1番健康で幸せそうで元気があり、可愛かった子は、忙しい洗濯屋の一人っ子でした。その洗濯屋さんは大きな広い部屋との間のドアを1日中開け、その大きな部屋に子供を置いていたのです。1日中床に座ったり、はっていたり、子猫以外には遊び相手がいなかったのですが、その猫をよく抱っこしていました。母親は赤ちゃんをいつも清潔にし、本当に規則正しく食事させました。

その子は物怖じするということがありませんでした。子供の座っていた部屋は今では誰かが入ってくると、いつも泣くのではなく、喜びの声を上げて、母親に知らせるのです。私はこの子の声が聞こえるところに何ヶ月も住んでいましたが、昼も夜も泣いたのを聞いたことがありません。

今は子供をあやしすぎて、1人で遊ばせないようにしすぎていると思います。
(2024年5月9日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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