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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#078

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#078 :病人に障らないような面会の仕方

   常に病人から見えるところに座ること。そうすれば、話しかけたときに病人はあなたの方を向くために、無理に首を動かさずにすむ。

誰でも知らず知らずのうちに話し手の方を見てしまうものだ。このようなことをして患者を疲れさせているとすれば、それは患者の病気に障ることをしているのである。立ったままでいると、患者はあなたをずっと見上げていなくてはならない。できるだけ体を動かさないようにして、病人に話すときには身振りをつけてはいけない。

患者に同じ伝言や要求を何度も言わせてはならない。特にしばらくしてから繰り返させるようなことがあってはならない。

もう一つ注意したいことがある。病人の背後から声をかけたり、ドア越しに声をかけないこと。また離れた場所から声をかけたり、病人が何かしているときに声をかけないことである。

看護師に比べると、召使いは職業上、このようなことに対して礼儀をわきまえているので、病人にとっては大変ありがたい存在で、理由は様々あるだろうが召使いたちをそばに置きたがる人も多い。
(2023年8月8日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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