ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#032
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志すすべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#032 :汚水桶の廃止
汚水桶は、決して病室に持ち込んではならない。他のどの場所よりも、特に家庭においては、次のことを鉄則とすべきだ。それは、便器を水洗トイレに持っていき、そこで中のものを空けて、すすぎ、元に戻すことが大切だと言うことである。
どの水洗トイレにも、すすぎ用の水と蛇口は備えておくべきである。実際に見たことだが、家庭の病室で、便器の中身を足洗のタライに空け、すすがずに、ベッドの下に戻した人がいた。
こういうことをするのと、便器を病室ですすぐのとでは、どちらの方がひどいかなどとは言えない。
最高級の病院では、汚水桶を病棟に持ち込ませず、便器を適切な場所に直接持って行き、そこで空けて、すすぐようにさせている。個人の家でもそうあって欲しいと思う。
(2023年6月2日配信)
フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。