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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#260
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#260 :赤ちゃんの保育(その9)
かわいそうに、締め切られた小さな部屋で、子供が死にかかっているのを見たことがあります。
火がどんどん焚かれ、4、5人の人々が周りで死ぬのを見守っていました。
子供は荒い息をしていました。肺や喉に詰まった痰というものを、咳をして出すことができなかったのです。
賢明な医師がやって来て、ドアと窓を開けさせ、1人を残して全員を室外に出し、2時間ほどかけて、部屋の空気を綺麗で新鮮にしたのです。
子供には何も薬を与えませんでした。それでも新鮮な空気だけで治ったのです。
大人にとっては、その状態で数日いても何もないことが、赤ちゃんの場合は数時間で死んだり、治ったりするのです。
(2024年5月15日配信)
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。