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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#125

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#125 :ビーフティー(牛肉スープ)

クリスティンソン博士は、ある階級の「患者は、他に何も食べられないと、水で薄めた肉汁か、ビーフティーばかりをあまりにも手軽に飲む」ことに「誰もが唖然とすることだろう」と言っている。

これは特に「腸チフス患者」によく見られ、数週間、ときには数カ月にわたり、「ビーフティーか、薄めた肉汁以外はほとんど何も」取らない。
「だが1パイント(約570ml)のビーフティーに含まれる水以外の成分は、1/4オンス(約7.1g)しかないのだ」。その結果には顕著なものがあり、博士はビーフティーがどのように作用するのか不思議に思っている。

ビーフティーを少量、他の栄養物に加えると、加えた固形物をはるかに、凌ぐ効果が出ることが観察されている。ゼリーが病人には栄養にならず、ビーフティーが栄養になるのはなぜなのか、その理由はまだ解明されていない。

しかし、この事実は、病人をよく観察することが最高の食事を用意するための唯一の手がかりであることをはっきりと示している。
(2023年10月20日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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