ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#082
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#082 :患者を立たせておくこと
話をしたり伝言や手紙を渡すため、あるいは動き回っている患者を呼びとめたりするために、患者を急につかまえてはいけない。
それは患者の横面(よこつら)を殴るようなものである。看護師が部屋に入ってきた時、立っていた患者が床に倒れたのを見たことがある。
患者は10秒間も立って待てば、または10ヤードも歩いたら、それ以上は歩けないだろ。あなたの話を聞くために15秒でも立ち止まっていることが、患者にとってどれだけ大変なことか、あなたにはわかっていない。
いちばん親切な看護師や友人でさえ、このように不注意であることを見なかったなら、私はこんな余計なおせっかいは言わなかっただろう。
(2023年8月18日配信)
フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。