ちいさな庭だより。2024年12月号。

[intro]
 思いがけないことが立て続けに起こった2024年が、過ぎていこうとしている。地震にはじまり、雨に風に長い暑さに、翻弄された一年だった。生きていく上で庭は必要か、と問われれば、必ずしもなければならないものではないのかもしれないし、金と時間のかかる趣味だと笑われたこともあったが、庭があって植物に向き合うことで救われる時間というものも確かにあると思う。少なくとも、わたしはそうだった。
 
 
[街なかの、裏庭より。]


 

 お隣さんの解体工事が終了し、目下は道路から丸見えのちいさな庭であるが、来年には住宅の建設がはじまるので、鉢の再構築はそれが済んでからになりそうだ。もちろん、移動させた場所、彼らにとっての仮住まいでもそれぞれの植物の観察は続けていくのだけれど。
 雪は多少降って、庭の植物たちはおおむね冬仕様の姿になった。今回の雪はなんというか水分量の多い感じで、重い。さっそく屋根から落ちた雪で、ホワイトセージの一部が折れてしまった。仕方がないのでしばし水に挿して室内で鑑賞し、あとはドライにする。
 

(ホワイトセージ) 
(コモンタイム)

 ちいさな庭には2種類のタイムが育っている。ひとつはコモンタイム、もうひとつはワイルドタイム。コモンタイムの方はスーパーマーケットでパックに入って店頭に並んでいたものを水に挿しておいたら発根したので植えた、というもの。いつも春に、ちいさな花をたくさん咲かせていたのだが、この頃枯れ枝が増えてきた印象があったので、思い切って刈り込んでみた。
すると、どうも株元がふらつく感じがある。以前も似たような感じで枯れて行った経緯があり、ナニモノかに根を食べられているのではないかな、と推測。それでも葉はかろうじてついているので、春にどのようになるか様子をみることにする。ちなみにワイルドタイムの方は、あまり花は咲かないけれど今のところは元気な様子。タイムは妖精が住むとか、目印にするとか聞いたことがあるので、絶やさないようにしている。おちいさい方々がそこにいらっしゃる、と想像すると、それだけでもなんだかちょっとたのしいきもちになるから。
  

(利休梅)

 
 すっかり葉を落とした利休梅、だいじょうぶなのかと思っていたが、ちゃんと次の芽がスタンバイされていた。風知草も枯れた葉を刈り込んだところ、芽を確認。ネモフィラのペニーブラックの種を植えたところには、どうもそれではない何か(トキワハゼ?)が育ってきていて、ちょっと困惑している。ネモフィラ、ちゃんと育ってくれるといいのだけど。
 イワヒバとして輿入れしたものの一部がカタヒバだったようで、庭のあちこちでその姿を見かけるようになった。一方でイワヒバはというと、地震で鉢がひっくりかえった後、植えなおして室内で様子を見ていたところ、ようやくちいさな葉がついた。
 シラーやチオノドクサといった球根たちは、まだ音沙汰なし。ヒヤシンスやシクラメンも、蕾は確認できているものの、今までよりスローな印象だ。

(モミジバゼラニウムの花)

 
 室内管理の植物たちも、寒さに耐えうるものを外に出したり、置き場所を変えたり。一目惚れというか衝動買いというか(笑、新たに仲間入りしたものもある。
 夏が長かったのと、室内にいるからということもあってか、窓辺の植物たちはまだ少し秋の気分でいるようだ。いつも夏にバテるモミジバゼラニウムが、復活して花まで咲かせているし、グラウクムもなんとか持ちこたえている。その他の多肉植物もここにきてますます元気になってきている。
 

(セダム・サクサグラレ・モスグリーン)

 先月号で少し触れたセダム・サクサグラレ、目下は順調に元の姿を戻しつつある。せっかくなのでこのままもう少し元気に育ってほしいところ。
  

(ウェルデルマニー)

 ウェルデルマニーもちいさいながら、ちゃんともじゃもじゃしている。どうしてこの姿になろうと思ったんだろう、といつもながめてにこにこしてしまう。

(ダシフィルム)

 ダシフィルムもこの通り、やる気に満ち溢れている(たぶん・笑)。前出のセダム・サクサグラレのポリポットに、ぽちっとおまけのようについてきたひと枝が、こんなに育ってくれるとは、うれしい限り。

(サンシモン)

 冬が成長期のサンシモン、葉が黒くないけど大丈夫なのかと思ったが、成長期は緑なのだと知って安堵。

(サボテン・白竜丸 - マミラリア・コンプレッサ) 
(サボテン・銀手毬 - マミラリア・ベチュラ・グラシリス)


 先月迎えた白龍丸と、今月一目惚れで輿入れした銀手毬、どちらもマミラリアだ。これより先に、交換会でやってきた赤刺カルメナエもマミラリア。どうやらわたしはマミラリアが好みのようだ。そして、今までサボテンを含め多肉植物と暮らすのは難しいと思っていたのに、こんなにハマるとは。いくらか残念ながら枯らしてしまったものもあるけれど、折を見てリベンジしたいと思う。
 

[ロザリアンへの途…冬休みに入りました。]

(ラディッシュ)

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