ちいさな庭だより。2023年7月号。

[intro]
 ぞっとするような梅雨が明けたとたん、今度は酷暑である。気をつけていたにもかかわらず、3度目のナントカよろしく軽い熱中症をやらかしてしまった。土用の最中ということもあるし、目下は夕まずめに水を撒きながら、秋からの植え替えの作戦を練っているといったところだ。

 
[街なかの、裏庭より。]

(ブルーバーベイン)

 今月上旬は豪雨に翻弄され、その後は35℃を超える酷暑に翻弄され、どうなることかと思ったが、今のところ植物たちはなんとかそれぞれの営みを続けている、という感じがする。ブルーベリーはようやく収穫できるようになってきたし、いちごたちが再び結実していたりする。ブラックベリーは結実はしたものの、雨のせいか未熟な状態で腐ってしまい、アリたちの餌となった。クランベリーは黄緑色の実がこれから赤くなってくる。
 ハーブもおおむね元気だ。パクチーは絶えてしまったが、チャイヴが復活したり、ペパーミントやアップルミントが花を咲かせたりしている。雨の心配をしていたラムズイヤーも、今のところは大丈夫そうだ。
 先月ハダニ問題でやむなく外に出した行李柳は、たっぷりすぎるほどの雨を受けたこともあるのか、きれいな枝葉を伸ばしはじめた。ブルーバーベインは年々花の数が増えてきている。もしかしてルドベキアでは…?と鉢上げした苗も、何やら蕾のようなものが見えはじめているからうれしい。
 

(イチイ)

 鉢上げといえば、ノイバラの鉢に旧宅のイチイのちいさな苗が芽吹いており、ポリポットに拾った。これで4つめ。ちなみに旧宅では実生苗はあまり見かけないので、こんなこともあるものかとちょっと驚いている。
 

(イングリッシュオーク)

 春の交換会で輿入れしたイングリッシュオークは、根元から新しい枝が伸びてきた。当初不思議な葉の形だな、と思っていたが、やはりハキリバチの仕業だったもよう。現在は影響がないのか、本来の葉の形で育っている。今最も植え替えをしたい苗だが、この暑さが収束するまでおあずけかな。光寿寺さんのどんぐりの苗も今年はいい塩梅に葉がついているので、いづれは並べてながめたいと思っている。
 一方で気がかりなことも。5月号で発芽率100%!と喜んでいた和綿が、ここに来てボキボキと折れて瀕死の状態なのだ。暴風雨で折れた苗もあったが、天気の比較的安定している日にも折れているので、どうしてそんなことになっているのか、まったく謎である。
 

(ツマグロヒョウモンの幼虫)


 さらには、今年は早くもツマグロヒョウモンがやってきており、はじめて産卵シーンに遭遇。上旬に収容した2匹の個体は、1匹が羽化、もう1匹は蜂か何かに寄生されていたようで、蛹になる途中で息絶えてしまった。その後20匹以上の幼虫を庭に出るたびに見つけては収容。生態がおもしろいから、ということもあるが、スミレの苗を残すためでもあるので、あんまりたくさんいるのはいささかビミョーな気分ではある。実際、彼らに一番人気?のアリアケスミレはすでに食べつくされてしまった。まあ、種があちこちに飛んでいるようなのであまり心配もしていないけれど。
 

(ベルゲランタス・マルチセプス - 三時草)

 室内管理チームにも、いくらか動きがあった。先月号で触れたルビーネックレスはやはり失敗。せっかく冬越しできたのに、とても残念だ。その他の多肉植物は、今のところ順調に育っている。株分けしたサボテンたちも、花が咲いたことで品種が判明した。夜に大きな白い花を咲かせたエキノプシス・カロクロラ(金盛丸)、赤い細かい棘が愛らしいマミラリア赤刺カルメナエ、アウストロ・キリンドロプンチア(サンゴサボテン)、パロジア・ワラシー(英冠玉)など。そしてこのベルゲランタス・マルチセプス(三時草)は、午後3時ごろに花を咲かせるから三時草といわれるそうだが、我が家では午後4時半から5時ごろに咲いていた(笑。
 相変わらず水遣りのタイミングが特にわからないのが、交換会で引き受けたカネノナルキ。1か月経つけれど、活着しているのかどうなのか。新しい葉が育っているように見えるのに、窓際に置いておいたら風にあおられてポロリと落ちてしまったりする。これも今後の課題である。
 
 
 
 
[ロザリアンへの途…復活したりしなかったり。]


(ヴィルトフォイヤー)

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