ちいさな庭だより。2023年4月号。

[intro]
 4月も下旬ともなれば、初夏を思わせる気温の日があったりもするのだが、今年はいつにもまして気温の差がおおきい。冬に戻ったかと思うような日の翌日が夏日、なんてことも起こっている。爆弾低気圧によるものか連日強風が吹いたりもして、植物たちも大なり小なり翻弄されている様子。それでも蕾を上げ、花を咲かせ、実をつける健気な彼らに励まされる日々だ。
 
[街なかの、裏庭より。]
 

(エリゲロン)

 さまざまな植物たちが花を咲かせる季節になって、連日ちいさな庭を見て回り、鉢を覗き込んではしみじみとうれしみにひたる、ということをやっている。ヤマブキの根元ではこの春もアジュガが咲き、その奥にはオダマキが控えめに咲いている。エリゲロンは元の鉢からバラの根元に勝手に移動して、にぎやかに咲いている。交換会でやってきた赤い葉のカエデがつくった日陰で、イワヒバがゆっくりと育っていたり、半ばあきらめていたフタリシズカがようやく芽吹いたり。先月号でお伝えした西別コケモモも、愛らしい花をつけた。
 

(ビバーナム)

 ここ数年不調だったビバーナムが、花を咲かせたこともうれしい。見た目は紫陽花のようだが、花びら(紫陽花の場合はがく)の数が違う。引っ越し後、若干放置気味でなんともへんてこな枝ぶりになっているので、この機会にもうちょっとマシなカタチに整えてあげたいと思う。ビバーナムの後ろにはヤマグミが、尖った小さな白い花を咲かせ、隣ではアマドコロがやはり白い花をランタンのようにぶら下げている。
 

(タツナミソウ・白)

 ちょうど大型連休あたりのたのしみが、タツナミソウだ。今までは能登の庭から移植した紫色の花のものだけだったが、昨年の交換会で白い花のものも入手。紫の方も、透け感が美しく大好きだが、この白い花もまた、なんとも清楚で神々しささえ感じる。ちいさな庭にやってきた頃から見て、ちゃんと種が育って花が増えているのがまた喜ばしい。
 
 

(コモンタイム)

 ハーブ類もおおむね順調に育っているが、場所のせいなのか気候のせいなのか、ローズマリーの花に早くもアブラムシが発生した。かれこれ20年以上ローズマリーを育てているが、これは初めての事態。葉が細かいのでテデトール作戦も難しい。花が咲き終わったらいなくなるだろうか…。
 

(スチューベン)

 室内管理の植物たちにも、春がやってきたようだ。先月はまだ枯れ枝のようだったスチューベンが、みるみる芽吹いて蔓まで伸ばし始めた。蔓がつかまれるようにネットをつくってみたが、うまくつたってくれるかたのしみにしている。
 多肉植物もここにきて少しずつ葉が増えてきた。ひとまず冬を無事に越せたことに安堵している。特にヒモサボテンには蕾と思しき突起がおおきくなり始めた。過去に何度も枯らしてしまったわたしが、サボテンの花を咲かせることになろうとは…!
 

(アロマティカス) 

今月下旬に、[ おうちガーデン茶話会 ]なるイベントに参加し、こちらでも植物の交換を行っていたので、アロマティカスを一枝迎えた。これまたむっちりとした、多肉系の葉。香りも良い。多肉植物として扱ってもよいとのことなので、そのようにまずは挿し芽をしてみることにした。うまく活着してくれますように。
 このほか、水に挿しておいて発根した小菊やコウリヤナギを植え付けたり、ヒヤシンスの球根を掘り上げたり、クランベリーの根伏せに挑戦したり…いよいよ庭仕事が本格始動、といったところである。
 
 
[ロザリアンへの途…あわてましたか?]
 

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