門前々払い
妻へのプロポーズが成功した帰りの電車内で、僕はご機嫌だった。
もう妻へプロポーズするタイミングを伺いながら、ソワソワしたダサイ空気を出さないよう注意する必要はないし、
「えー、プロポーズって本当にありがちな言葉を使わなアカンの?」
と葛藤することもない。
ようやく大仕事を終えて一息つきたい所ではあるが、ここで油断してはいけない。
「プロポーズした癖に、その先のことは何も考えていない頼りない男」
のレッテルを貼られないために、僕は今後の話を妻へ切り出した。
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