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どこでも活躍するプロダクトマネージャーの6つの共通点

メルペイでPMをしているKajiです。
Director of Productとして戦略づくり、組織づくり、採用活動、そしてプロダクトマネジメントをしております。

「プロダクトマネージャーは総合格闘技」とよく例えられますが、それが故に多くのスキルが求められます。
多くのプロダクトマネージャーを見てきて、すぐに活躍する人はどのようプロダクトを任せても能力を発揮します

今回はどんなドメインのプロダクトをであろうと活躍するプロダクトマネージャーの共通点を書いていきます。

1. 高いコミュニケーション能力

「優れたプロダクトマネージャーってなんだろう」と考えた時に定性的に「信頼できる人」という意見を持つ人は少なくないのではないでしょうか。
信頼はコミュニケーションから作られる関係性から生まれます。
プロダクトマネージャーは多くのステークホルダーと議論をし、良いプロダクトを作っていく必要があります。

コミュニケーション能力が低いと円滑に議論が進まなかったり、伝わっておらずリスクとなってしまうことがあります。
ここでいうコミュニケーション能力というのは「ウェーイ」ではなく「正しく伝え、傾聴し、相手を尊重・理解した上で議論ができ着地させることができる」です。

プロダクトマネージャーは意思決定項目について正しく理解し、プロジェクトを推進していく必要があります。
決めたい内容・相談したい内容をまとめ、その上でWhyやWhatの説明、アイデアに対するPros/Consをまとめ、方針を決めに行きます。
もちろん、中には反対意見などがあり同意を得られないことが多々あります。
しっかりと理由を聞き、意見を尊重しながら着地させにいきましょう

2. 作る”モノ”にこだわる

どんなタイプのプロダクトマネージャーであれ、デザイナー、エンジニアと一緒にモノづくりをしていくというのはすべてのベースになっています。
PRDを作るのはプロダクトマネージャーの責任であり、その内容によって提供される機能の価値と開発にかかる工数が定まります。

ではどういうことにこだわっていくとよいでしょうか?

例えばプラットフォームチームであれば、より汎用性を高めるためにどのようなユースケースがあるかを想定しつくっていきます。
Web, Client開発であれば、どういうログを取得するとどういう分析ができるかなどが重要になってきます。
他にもあらゆる機能におけるパラメーターチューニングや体験へのこだわりなど、どのようなことに対しても手抜きをせずにモノをつくっていきましょう。
プロダクトマネージャーはデザイナー・エンジニアと共に作るモノの定義をしていくことがとても重要です。

ただし、局所的に集中してこだわることで見逃していることがあることが多くあります。
俯瞰的に眺めることは定期的にやっていきましょう。

3. インサイトを活用する

良い企画を思いつくセンスというのは天性の才能があるものと勘違いされがちです。
プロダクトマネージャーはインサイト(洞察、物事の本質)を得て施策を作り上げていくことが重要になります。

もちろん天性の才能があるケースはありますし、現にそういった人を見たことがあります。
ただ、プロダクトマネージャーすべてが天才ではありません。

インサイトはユーザーのニーズを正しく理解することにより得ることができます。
まずはしっかりとユーザーの声を聞いてどういうニーズがあるか理解しましょう。

しかし、重要になってくるのはニーズをただ解決することではありません
実はその課題解決をしただけではユーザーは動かないことが多くあります。
ユーザーはそのニーズに至るためにあらゆる画面を見て、あらゆる経験をしています。つまり深層心理が掴み取れていないのです。
では、どうすればいいでしょうか?

ここでマーケティングでいうインサイト = 人を動かすための心理が重要になります。
そもそもインサイトって何?という方は以下の本を読むことをおすすめします。
インサイトを見つけ出す手法や、いくつかの実例を添えて解説がされています。

例えば文章を長々と書かれても読まない、情報量が多すぎて見逃されるなど善かれと思って作っても全く意味をなさなかったりします。
機能をひたすら説明されても実際に全部見て全部覚えてくれる人はそう多くないのです。

しっかりと全体のフローの中でどこで何を伝えると良いかというのを定性・定量調査で得られるインサイトによって仮説の精度を高め、機能を検討・提供していきましょう。

4. 優先順位を正しくつける

優先順位を正しくつけることで効果的にOutput/Outcomeを出すことができます。
もちろん完璧につけることはできません。
例えば、「プロジェクトAで施策効果を高めるためにこういった機能を作りたい」というのと「プロジェクトBで将来に見据えて技術負債を解消したい」というのは比較するのが難しいです。

もちろん感覚というのもあるのですが、フレームワークを活用することにより、ある程度精度を高めて優先順位を決めていくことはできます。
最終的に優先順位がどうなるかという意思決定の方法と基準はチーム内で統一しておきましょう。

例えば以下のようなフレームワークを利用します。

Value-Effort Matrix
Y軸にValue(価値)とX軸にEffort(労力)で作る2x2のマトリックスです。

単に価値があるものと言っても多くの観点があります。
新規顧客獲得に役立つか、何人の顧客に影響するか、収益を上げるのに役立つか、バイラルか、などなど。
どういった観点で価値が高いものとするかというのはチーム内で議論して決めにいく必要があります。

Value-Effort Matrix

今回紹介したのはあくまで一例かつ概要ですが、優先順位の決め方には多くのフレームワークがあります。以下に参考のリンクを添付します。
チーム内や経営と意思決定の仕方の擦り合わせをし、理由を説明できるようにしておきましょう。

5. 実行と振り返り

プロダクトマネージャーの真髄はやはり実行してOutcomeを得ていくことではないでしょうか。

例えば開発フェーズに入ってもやることはたくさんあります。
開発プロセスを回す、想定していた要件を実現できない、工数が思ったよりもかかる、新しいアイデアを入れたい。
すべてプロダクトマネージャーの腕の見せ所です。
プロセス改善、要件変更、リソース調整、アイデアのディスカッション、優先順位の調整など全て実行していきましょう。
そして振り返りをしていき、次に活かしましょう

振り返りはシンプルにKPTをするだけでも効果があります。
マンネリ化してきたな、と感じたらFun/Done/Learnなど他の振り返りを導入するのも一つの手です。
また、1ヶ月や1Qごとの振り返りはタイムライン振り返りなどを用いて情報を集め、アイデアを出し、Next Actionを決めていきましょう。

手法についてはアジャイルレトロスペクティブの本や以下のようなスライドを参考に導入しましょう。


6. データを読み解く

プロダクトマネージャーはあらゆるときにデータを読み解く必要があります。
目標数値を設定するとき、デリバリー後の数値を見る時、障害対応等でデータを確認する時など多くの場面でクエリを書いたり、データアナリストと連携をして最適な指標を選ぶ必要があります。

データ分析によってABテストの結果が決まり、次の施策が決まり、バックログアイテムが作られます。
また、障害対応や顧客対応などにおいて正しく状況を把握し、ユーザーに対するアクションを定めることができます。
とにかく多くデータに触れる時間を作り、読み解いていきましょう。

クエリを実際に書いて行く場合は以下の本を辞書的に利用するととても勉強になります。

おわりに

プロダクトマネージャーは会社の状況によってやることが様々です。
今回はどこのドメインに入ったプロダクトマネージャーでも活躍する人が持っている共通点を言語化してみました。
今回は概要が多くなっているので別のNoteで深堀りをしていければと思っています。

書いてみると結構当たり前のことのように見受けられるかもしれませんが、やはりベーススキルがあってこその成長だと思います。
PMM, TPM, etc... 多くのプロダクトマネージャーから発展した役割というのが定義されていますが、まずは基礎を固めてどんなプロダクトにも立ち向かえるスキルを持ちましょう。

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