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1曲毎に再編成『Flight Facilities』の魅力

曲ごとにジャンルもボーカルも違う、パイロット姿のエレクトロデュオ『Flight Facilities』を、2016年のフジロック観てファンになりました!

けれど、周りに好きな人がいないので書きました。どうぞお付き合い下さい!

パイロット姿のエレクトロ・デュオ

Flight Facilities(フライト・ファシリティーズ)は、Hugo Gruzman(ヒューゴ・グルスマン)とJames Lyell(ジェームズ・ ライル)の二人組で活動しているアーティストです。

茶色で初期のパイロット姿がヒューゴ・グルスマン
紺色で現代のパイロット姿がジェームズ・ ライルです。

公式サイトによるとオーストラリアで活動し始め、ラジオや有名アーティストの推しがあり、徐々に人気が拡大したそうです。

パイロットの設定を忠実に守る演出

私が衝撃を受けたのは、パイロットの衣装だからではありません。その設定を忠実に守る、新しい演出だったからです。

ライブではコックピット風にデザインされたDJブースを使って演奏します。

演奏中のバックスクリーンには大体、飛行機が飛ぶ様子や飛行機の時刻表などをオシャレにデザインして映して、フライトの雰囲気を表現しています。

私が体験したライブでもこれが映し出されていて、テーマパークのアトラクションみたいで楽しかったです。

それだけではなく、ファーストアルバムも面白いです。

ファーストアルバム『Dawn to earth』の一曲目『Intoro』は、機内放送と離陸した時の音から始まります。
再生したと同時に離陸をして音楽の旅が始まるようで、とても好奇心を掻き立てられる演出だな~と思いました。


曲単位!変幻自在の音楽ジャンル



ーティストが数年をかけて音楽ジャンルが変わっていくことは良くありますが、flight facilitiesはなんと曲単位で変わります。

クラシック、オルタナティブ、ファンク、ジャンルに分けられないもの…

曲毎に雰囲気がガラリも変わります。それもそのはずで…ボーカル自体が曲毎に変わります

ライブでもボーカルが交代したり、flight facilities二人のDJタイムがあったりと、1つの枠の中で、もはや小さなフェス状態です。

このことから、日本のプロモーションでは彼らを紹介する際に「多様性がある音楽」という言葉がよく使われています。

表現の振り幅が大きい

flight facilitiesは、私が知っている中でTOP10上位に入る闇を持つ曲『Clair De Lune』を産み出したアーティストでもあります。


闇が深さもここまで極めると、神秘的な美しさを感じます。

YouTubeのコメント欄には「人生の最後に神様にこの曲だけ聴かせて欲しいと訪ねてもOKをもらえるであろう」的なジョークが書き込まれる程です。


私もこの曲が大好きです。
かなり私のロマンチストがダダ漏れてしまうのですが、特に好きな聴き方があります。

過去の仕事で始発で向かう時があったのですが、冬でその時間帯ならではの朝になりきっていない夜のような道を歩きながらこれを聴くのが好きでした。

エモーショナル、この上ない体験ができます。

このエモーショナルな感覚はこれ以上ないと思っていましたが、なんとライブバージョンはさらにパワーアップ!

その理由にあるのが、この曲の終盤のあるお決まりのやりとりです。

大体、終盤になるとボーカルが観客に「iPhoneのライトをつけて!」と頼みます。実際にライブで観ましたが、数千人〜数万人がライトをかざしている光景はとても綺麗です。また、幻想的な光景がこの曲によく合います。

このお決まりのやりとりをしたライブ動画がYouTubeにあるので、載せておきます。


一方で、こうしたダークな曲とは違う楽曲もあります。



『Crave you feat.Giselle』は、このアーティストの代表的なヒットソングです。

この曲のMVにある牛乳をこぼすシーンは、先程紹介した『Clair De Lune』でも出てきます。勝手に意味深に捉えているのですが、どういった繋がりなのでしょうか?たまたま?

ファンにフレンドリー

現時点ではありますが、二人は公式アカウントのYouTubeやInstagramで、ファンへの返信を小まめにしています。

私もフォロワー0人の匿名のアカウントでメッセージを送ったことがあるのですが、他の人同様にしっかりと返信してくれました。

しかも彼らはファンから印象に残ったメッセージを時々、公式Instagramにスクリーンショットをして載せています。


微笑ましい光景に好感が持てますね。
毎回しっかりと対応しているのを見ると、さらに売れてほしい!と応援する気持ちがさらに強くなります。

日本でもっと流通して欲しい


このアーティストはグッツも素敵です。

普段使い出来るデザインだし、グッツだけではなくレコードも販売しています。

けれども、日本では流通していないので海外から取り寄せることになります。オーマイガー!

初期は日本でもグッツや宣伝記事が多くありましたが、ここ数年は全くありません。

日本の公式サイトもファーストアルバムの情報でストップしています。音楽プロモーターはもう諦めてしまったのでしょうか?悲しい。

そんなに日本で人気がないのかな?と寂しく思いながらも、まだ読むのに苦労する英語を必死に翻訳しながら、英語の公式サイトなどで最新情報をチェックしています。

一番の魅力はライブ


ライブを体験する前に実は、フェスのリサーチとして簡単にflight facilitiesの音楽を聴いていました。

「お洒落でいい感じだな〜この曲は特に好きだな〜」くらいの気持ちでしたが、フェスの当日に周りのゴツめな海外の方々の勢いに身動きが取れず、そのまま流されて偶然に彼らのライブを観ました。

始まる前に『Intoro』の離陸する音と機内アナウンスが流れると、オーディエンスが歓声をあげながら徐々に集まってきます。

その熱量のまま、複雑なリズムにみんなが好き好きに体を揺らして楽しんでいました。

その時に、多様性がある音楽アーティストには多種多様なオーディエンスが集まるのを全身で感じました。

この時期は色々とありますが、曲ごとにジャンルもボーカルも違う、パイロットモチーフのエレクトロ・デュオ『flight facilities』のライブがいつか見れる日を楽しみにしながら、応援しています。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました!