アズールレーン とあるKAN-SENの手記
人の気持ちとは、こんなに苦しいものなのだろうか。KAN-SENになってから、そればかりが私の思考を支配する。
大切な人を失った。だからそれ以上は失いたくなくて私はずっと手を伸ばしていた。襲いかかる敵を倒し、味方に手を差し伸べ、大切なものには相手が想う以上に尽くしてきた。
しかし、それでも手からすり抜けて。すれ違って。足掻いても足掻いても、どうしようもないことは増えていく。
何が悪いのか?誰が悪いのか?そんなことは分からないし、知っていても教えてくれる者はいない。みな自分で考え、探しているのだから。
頑張りすぎたのだ。両手から零れていくものがとても綺麗に見える。それを拾おうとするから、気がついた時に手のひらには何も無いのだ。それがとても苦しくて、私はまた全てを捧げて走るのだ。
私はこれ以上、どうすればいいのだろうか。それでも、走るしかないのだろうか。
ただひとつだけ、分かるものがある。それは、絶対に守るべき場所……重桜だけは、守らなくてはいけないということだ。
私は苦しくても前に進む。進まなくてはならないのだ。
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