気持ちを整える-本来無一物-
本来無一物
「ほんらいむいちもつ」と読みます。
これは、とても有名な禅の言葉です。
人間、生まれるときには何も持たず、何も身に着けずに、この世に出てきます。
また、死ぬときも何も持っていくことはできない。
全ては空(くう)、何もない。
だから、執着すべきものなど何もない。
そういった意味で理解されることが多い言葉です。
人は時間を重ねるにつれ、たくさんの物や人間関係、立場、希望や欲望などを持つようになります。
それ自体は悪いことではありません。
しかし、日々の暮らしの中で、時にいろいろなものに執着してしまうこともあるでしょう。
その執着心によって苦しみ、心を乱してしまう人を多く見かけます。
そんなときは、「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」、この言葉を思い出して、一つ考えを巡らせてみてください。
今、自分自身がもっているもの、そばにいてくれる人、それらを蔑ろにしていないだろうか。
無いものを求め過ぎて、今に感謝して生きることを忘れてはいないだろうか。
私たちは元々何も持っていなかったのですから、今、こうして生きているだけでも、とてもありがたいことなのです。
「手にしたものを失う怖さに 縛られるぐらいなら勲章などいらない」
【es】 〜Theme of es〜 / Mr.Children
何かを得ると、人は知らず知らずのうちに執着してしまうものです。
執着心に気づいたら「本来無一物」、唱えてみてください。
日々生きていることに、感謝を忘れず。
今日も一日、精進しましょう。