わたしのおともだち

わたしのおともだちの言葉にはいつも色と香りと景色、そして感触がある。

 おともだちの「おはよう」は干した布団のお日様の香りがする。わたしはその言葉を聞くたびに幸せの階段を駆け上がって行く。

 おともだちの「疲れた」を聞くと、わたしはおうちに帰る時のように、張り詰めていたものが溶けていく感覚がする。淡いオレンジ色の夕焼け空のようだ。


 おともだちの「バイバイ」は柔らかな真綿のようだ。抜群の抱擁力があって、どんなに辛い時でも後もう1日生きてみよう、と思わせてくれる。

 そうすると、またおともだちの「おはよう」の香りで身体を満たすことができる。

 おともだちの言葉に触れるたび、わたしの心の中に柔らかな風が吹いてゆく。深い海を泳いだり、煌びやかな夜を見たり、花の匂いをかいだり、冷たい雨に打たれたり…。おともだちの言葉によってわたしは憂も喜も感じることができる。それは生きることであると思う。

わたしは一生、おともだちの言葉に生かされるんじゃないだろうか。明日おともだちの「おはよう」に触れられなかったら…。、また明日も素敵な世界を一緒に見たい。

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