これからの季節に注意したい「低温熱傷」の特徴や治療期間
こんにちは。
怪我、やけど、そして傷跡で悩む患者さんを救うため、そして形成外科をさらに社会に広めるために活動しております。
「きずときずあとのクリニック 豊洲院」院長の村松英之です。
今回は、「低温熱傷」について紹介したいと思います。
記事の内容は、以下の動画からもチェックできます。
2024年10月2日に初の書籍を出版しました。
予約はこちら 👉https://amzn.asia/d/9M0oL6B
火傷(熱傷)とは?
火傷(やけど)は熱ダメージによるけがの1つです。
例えば、切ったきずは刃物によるダメージ、擦りきずだと摩擦によるダメージがけがの原因となります。
火傷は、熱のダメージが大きければ酷いきずになります。
傷害の深さによる違いは、以下の通りです。
Ⅰ度…表面が赤くなる程度
Ⅱ度…水膨れができる程度
Ⅲ度…最も重度
Ⅰ度は表皮にダメージを負っている状態で、表面が赤くなる程度です。
Ⅱ度は最も一般的な火傷の度合いで、真皮まできずが達しています。時間が経過すると、水膨れになるのが特徴です。
Ⅲ度は、さらに下の脂肪(皮下組織)にまでダメージがいっており、火傷の中でも最重度の状態になります。
低温熱傷(低温火傷)について
実は、低温熱傷は最重度の「Ⅲ度」の火傷です。
低温なのに、なぜ重症化してしまうのか、その理由や低温熱傷の原因について詳しくお話しします。
低温熱傷の原因
低温熱傷は下腿に多く、主な原因は以下の通りです。
湯たんぽ
電気あんか
電気毛布
使い捨てカイロ
低温熱傷は深い火傷になりやすく、専門的治療が必要となるケースが多いのが特徴です。低温熱傷を予防するためには、湯たんぽは寝る前に布団から出し、電気製品は電源を切るなどして、このような器具が長時間同じ部位に触れないように注意しましょう。
火傷のダメージは「時間×温度」で決まる
例えば、温度の高いものを一瞬触るのと、比較的温度の低いものを長時間触るのでは、温度の低いものを長時間触る方がダメージが大きいとされています。そのため、低温火傷はダメージが大きいのです。
低温火傷にならないためには、同じ場所に長い時間、温かいものが当たり続けないようにしましょう。
低温熱傷の特徴
Ⅲ度になると皮膚に血の気がなくなり、蠟のように白くなったり、炎で受傷した場合には炭のように黒くなったりします。
痛みを感じる神経まで損傷するため、逆に痛くないのが特徴です。
痛みはなくても、皮膚の内側はかなりダメージを負ってしまっているので、そのまま放置するのは避けましょう。
白くテカテカしているときは、低温熱傷の可能性があります。
低温熱傷は病院にいくべき?
Ⅲ度の火傷は痛みが少なく、そのまま放置する方も少なくありません。
ここでは、病院を受診するべきなのかどうかと共に、治療期間や傷跡についてをお話ししたいと思います。
病院の受診がおすすめ
Ⅲ度熱傷の場合には皮膚の障害が強く、治るのに時間がかかるため、小範囲の場合でも医療機関での治療をおすすめします。
皮膚科か形成外科を受診しましょう。
特に、おでこや口まわりの火傷、顔のまんなかの火傷などは、後から傷跡が気になってくる方も多くいます。
低温熱傷の治療期間
低温熱傷の治療には、最低でも2~3ヶ月かかります。
治るまでの期間については、主治医からしっかり話を聞いてください。
不安なく、治療を進めていくことが大切です。
まず、ダメージを受けた皮膚と正常な皮膚の境界がはっきりしてくるの2〜4週間ほどを要します。その後、壊死組織がとれるのにかかる期間が1〜2ヶ月程度です。
なくなった皮膚が治るのに、さらに1〜2ヶ月かかると考えると、トータルでの治療期間は短くても2~3ヶ月となります。
傷跡について
傷跡は数年すると、少しテカテカした白い傷跡になることが多いですね。低温熱傷の治療は難しく、今のところの選択肢として「手術」と「フラクショナルレーザー」が使われますが、下腿は皮膚に余裕がなく切除が難しいほか、凸凹がのこってしまって余計目立つ傷後になることもあります。
フラクショナルレーザーも少しは傷跡が柔らかくなるかなとは思いますが、効果は少ないので、あまりおすすめしません。
最後に
低温熱傷は舐めないで欲しいと思います。
治るのに時間がかkるだけでなく、治ってもその後の傷跡を綺麗にすることは難しいです。
低温熱傷には、くれぐれも気をつけてくださいね。
特に、これからの季節は本当に注意が必要です。
また、きずあとが気になるときは、ぜひ当院へご相談ください。
公式LINE:https://page.line.me/019jtwyc?oat__id=2693982
公式HP:https://kizu-clinic.com/
公式YouTube:https://www.youtube.com/@kizu_clinic
2024年10月2日に初の書籍を出版しました!
予約はこちら 👉https://amzn.asia/d/9M0oL6B
ぜひ、こちらもチェックしていただけると嬉しいです。
傷跡治療に興味がある方は、以下のQRコードから友だち登録をしていただき、気軽に悩みを相談して頂ければと思います。
小さなお悩みでも、LINEやお電話でご相談ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?