氣づきの国語辞典「敬老の日」編
敬老の日
「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」
9月の第3月曜日
兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町八千代区)で
「としよりの日」という日があった。
1947年(昭和22年)9月15日
「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」
というスローガンのもとはじまった。
農閑期で氣候も良い9月中旬にしようと決まった。
戦後の混乱期で子を戦場に送った人たちの精神的疲労はピークに達していたため、55歳以上の村人を労る会を開催した。
「養老の滝」伝説にちなんだものにもなった。
「養老の滝」伝説とは昔、貧しい木こりが滝から流れる水を見て「老父の大好きなお酒だったらなぁ」と考えていたところ、岩から滑り落ちて氣を失う。
氣がつくと辺り一面にお酒のいい香りがした。
近くの岩間から山吹色の水が湧き出ており、
それを男が舐めるとお酒の味がした。
この水を汲んで帰り、老父に飲ますと喜び、若返ったというもの。
この話が都にも伝わり第44代天皇元正(げんしょう)天皇がこの地に行幸。
この湧き水を元正天皇が実際に飲まれ「老を養う若返りの水」とし、元号を「養老」に改めた。
全国にお年寄りを敬おうという流れが徐々に広まり、1966年(昭和41年)に9月15日を「敬老の日」とした。
2001年(平成13年)以降「敬老の日」はハッピーマンデーとして9月の第3月曜日となっている。
平和で安全で経済的にも豊かな国である日本。
それは先人たちの絶え間ない努力の結晶である。
それらに感謝の氣持ちを表す大切な祝日。
次回は「秋分の日」編