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流しの国語辞典「言う」編

取っ手のある刃物と誓いの文書を入れる箱の象形

から悪いことをしたときは罪に服するという

「誓い言葉」を意味する。

では誰に「誓」うのか?

誓うという漢字は「折」が草木を斤(おの)で切断

することを言うが、神に誓うときの所作だったこ

とに起因する。

神に誓うが「言う」の漢字の成り立ち。

言葉にも葉っぱが隠れていて、植物に想いを乗せ

てきた日本人の歴史を感じる。

日本人は和紙を発明したが、紙は神に通じると

され、紙に想いや願いを書くことは神に誓うこと

だといわれる。

結婚式の際の忌み言葉には言霊の力が宿るとされ

る歴史がある。

万葉集にも日本は「言霊の幸ふ国」だという表現

が山上憶良と柿本人麻呂によって詠まれた。

言霊によって日本は幸せがもたらされる国なんだ

と。

自分の意志を声に出すことを「言挙げ」という

が、慢心によるものであれば、悪い結果がもたら

されると信じられてきた。

第十代天皇である崇神天皇が言霊を政治に応用

することを廃止してから長らく言霊が持つ力は

封印されてきた。そしてその封印を解くのが

明治天皇。

古事記、特に神代の巻が言霊の手引書と言われる

由縁は神代の巻に出てくる神様の名前が百個。

前半の五十個は五十音言霊を示し、後半の五十個

はその五十音言霊をどのように活用すれば、人間

行動の理想の規範ができるかを説いている。

明治維新という言葉があったように

改めて令和は言霊を古事記を大切にする時代で

ありたいと強く願う。

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