氣づきの国語辞典「リン」編
凛→ 「氷」の象形と「米蔵の象形と穂の先が茎の
先端に垂れかかる稲の象形」(「米蔵の中の穀
物」の意味だが、ここでは、「身のひきしまるさ
まを表す擬態語」)から、「寒い」、「心がひき
しまるさま」を意味する「凛」という漢字が
できた。「凛」は「凜」の「禾」が「示(神に生
贄を捧げる台の象形)」に変形してできた漢字。
ここにも稲と神が関わっている。
輪→ 「車」の象形と「3線が合うことを示す文字
と文字を書くためにヒモで結んだふだの象形」
(「筋道を立て考えをまとめる」の意味)から車の
タイヤが放射状に秩序だって並んでいる「わ(車
輪)」を意味する「輪」という漢字ができた。
隣→ 「燃え立つ炎の象形と両足が反対方向を
向く象形」(「左右にゆれる火の玉」の意味だ
が、ここでは、「黎」に通じ「庶民」の意味と
「特定の場所を示す文字と座りくつろぐ人の
象形」(「村・里」の意味)から、庶民の村・里を
意味し、そこから、「となり」、「村・里」を意
味する「隣」という漢字ができた。
※「鄰」は「隣」の旧字。
神社でよく見かける茅の輪(ちのわ)くぐり。
茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ直径数
メートルの輪をくぐることで心身を清め、災厄を
祓い、無病息災を願う行事。
茅の輪は、神社の境内や鳥居の下など、「結界」
の内側に設置される。
茅の輪くぐりの由来は、日本神話にあります。
備後国(広島県東部)を旅していたスサノオノミ
コトが宿を探していたとき、蘇民将来(そみんし
ょうらい)という人物が貧しいながらもスサノオ
を手厚くもてなした。
数年後、スサノオは再び蘇民将来のもとを訪れ、
「病が流行ったら茅で輪を作り、腰につけて難を
逃れよ」と教えた。その後、教えを守った蘇民将
来は難を逃れることができたことに由来。
昔は茅の輪を腰につけ無病息災を願ったが、江戸
時代初期ごろに大きな輪をくぐるようになったと
いわれる。
輪に茅が使われる理由には、茅に利尿作用があ
り、生薬として用いられ、夏の体調回復に使われ
ていたからや茅に魔除けの力があると考えられて
いたから、などの説がある。