ビジネスに戦略はいらない
あなたは日頃からビジネスにおいて「戦略」という言葉を使っていませんか?「経営戦略」だとか「営業戦略」という言葉を使っていませんか?
改めてこの「戦略」という言葉の意味を考えてみました。
「あなたは誰と戦っているのですか」
まず、こんな疑問が湧いてきました。
競争は必要です。「一番になりたい」という思いは大切です。この思いから技術も進展し、スポーツの記録も伸びました。
しかし、競争は「誰かから何かを奪う」という戦いではありません。
「競う」と「戦う」は違います。
「戦い」の発想は、相手から何かを奪うことです。不足を埋めるために、さらなる豊かさを求めて、欲しいものを相手から取り上げます。
それは、常に不足の発想からきています。
新たに何かを生み出すという発想ではありません。
今、ビジネスの意味を変える時がきています。
自分の利益ばかりを追求して、競合他社を「敵」とみなし、他から奪うことばかりを考える、そんな経営戦略は淘汰される時代になります。
ビジネスは、世の中に価値を生み出してそれを多くの人のもとに届けること
そして、その中で喜びや感情、豊かさが生み出されるプロセスです。
豊かさ(金銭的価値)を求めて一生懸命働くことは必要なことです。
しかしこれからはその豊かという結果だけでなく、そのプロセスを大切にしてください。
豊かさを求めて行動した時、その豊かになるという目的を忘れて夢中になって動いていたことはありませんか。その夢中になるプロセスにこそ大きな価値があると思います。「学び」があります。
ここで、2012年6月20日ブラジル・リオデジャネイロで行われた地球サミット2012で演説したウルグアイのムヒカ大統領の言葉をご紹介します。
「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。
幸せになるためにこの地球にやってきたのです」
「発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。
発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはいけません」
ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ
ウルグアイの政治家。2009年11月にウルグアイ大統領選挙に当選し、2010年3月より2015年2月末まで、同国の第40代大統領。
仕事での成功(発展)は必要です。
でもその「成功」の概念は、過去に誰かが作り上げてきたものです。
借り物の成功ではなく、自分しかない成功、満足体験(幸福)を作り上げてください。それは、「魂レベルの成長」と言えるものです。
そして今、マーケティングが進化しています。
幸福など、より精神的な価値を重視した「スピリチュアルマーケティング」の出現です。クリエイティブな時代、人々が自己実現を強く求める時代になりました。金銭的価値よりも精神的価値を大切にするようになりました。
それは企業にも影響を与えています。ビジネスに込める意味や価値を明らかにすることが企業に求められています。「相手から何かを奪う」という戦略の発想から、「世の中に幸福を生み出す」という魂レベルの発想が求められています。
それは、私たち個人も同じです。