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Vol.10「遊びの先に科学があるように、キヅキランドの延長線上に研究がある」なむさん&片野さんのワークショップレポート
前回インタビューでご登場いただいたのは、YouTubeで「ゲームさんぽ」という実況チャンネルを運営しているなむさんと、生物学・生態学研究者の片野晃輔さん(おふたりのインタビューはこちら)。ゲームの世界を専門家と一緒に観察して実況するなむさんのゲームさんぽは、「観察して発見する」という点でキヅキランドと同じ考え方で作られています。生物の専門家である片野さんもゲームさんぽでゲームの世界の生き物の様子を観察・実況しています。
今回はそんなお二人がキヅキセンパイとして登場したワークショップの様子をお届けします。ワークショップは昨年9月に開催。「各自で動画を観察してキヅキを書きこむ」という時間と、「みんなで一緒にそれぞれのキヅキを鑑賞する」という時間を設けて進められました。
観察してキヅキを書きこむ時間には、参加者のこどもたちと一緒に、なむさん&片野さんもキヅキを書きこみました。また、その傍らでお二人がキヅキを見つけるコツや生物学における観察の仕方など、いろいろなことをおしゃべりしました。たとえば……
「僕、こどものころわざとモノを薄目で見たりしてました。何か違うものが見えるかな〜、って」(片野)
「観察の仕方として、見る体勢を変えるっていうのもあるんでしょう?」(なむ)
「ありますね。たとえば生物学のフィールドワークで、森の中を観察するときに、地べたに腹ばいになってみたり。森に棲む生き物の視点になってみるわけです」(片野)
「じゃあ、今もみんな、逆さまから動画を見てみたりすると何か意外なキヅキが見えるかもしれないよ!」(なむ)
「あとは、境界線をなぞってみるとか、ものの形をなぞってみるとかして観察するのもいいと思います。あっ、こういう動く風景の中で動かないものを見つけるっていうのもいい目の付け所ですね!」(片野)
と、片野さんがピックアップしたキヅキがこちら。
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そして、こちらはまさに「境界線をなぞる」ことでものの存在を浮かび上がらせたキヅキ。こんなにたくさん木があるここは、一体どこ? そして何を作っているのでしょうか……!?
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また、鑑賞の時間に盛り上がったのは参加者のこどもたちが自分なりにいろいろに見立てをしてくれた書きこみです。「自分にはこう見える!」「〇〇みたい!」「これって〇〇じゃない?」という発見は、とてもユニークで創造性豊かなものばかり。なむさんも片野さんも「確かに!」「そういうことか!」とこどもたちのキヅキにおおいに驚かされ、笑わされました。
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「今回は片野君の研究者としての視点をこどもたちに紹介することを意識しておしゃべりしましたが、このワークショップはキヅキセンパイの僕らにとっても、こどものキヅキに触れることのできる貴重な機会で本当に楽しかったです。また今後、ワークショップなどをやる際はぜひキヅキセンパイをやらせていただきたいですし、キヅキランドを使ってなにかやりたいと思っています」(なむ)
「キヅキは画面に描かれた線一本でもいいんだよ、ということを伝えたいなと思いました。あと誤読が発見を生むと思うので、敢えて誤読を誘導したりもしましたね(笑)。そのだれかのキヅキが補助線になって、他の人のキヅキのきっかけになったりもします。遊びの先に科学があるように、キヅキランドの延長線上に研究があるということを感じました」(片野)
ワークショップの最後にお二人から「今日動画を見ながらやったように、日常の中でもいろんな“キヅキあそび”ができると思うので、ぜひやってみてね!」というメッセージもありましたが、まさにキヅキランドで遊んで得た「観察して見つけた!や?を発信する楽しみ」「ハテナをふくらませるよろこび」を、ぜひ日常生活の中でも体験してもらいたいな、とスタッフ一同願っています。
これまで、昨年夏から秋にかけて開催されたワークショップの様子をお伝えしてきました。たくさんのこどもたちにワークショップに参加いただいたことは、大変重要なヒントになりました。また、キヅキセンパイのみなさん、ワークショップ体験アンケートにお答えいただいた大人のみなさんにも、感謝いたします。
現在、キヅキランドはグランドオープンまであと一歩のところまで開発が進んでいます。こどもたちの好奇心を刺激する新しい体験の場としてみなさんをお迎えできるのは4月下旬の予定です。楽しみに待っていてくださいね!
キヅキランド通信はこれからも更新を続け、開発エピソードやインタビューなどをお届けしていきます。どうぞよろしくお願いいたします!