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忘れじの名歌手/カスリーン・フェリアー
カスリーン・フェリアーの名をワルター/VPOの「大地の歌」でご存知の方は多いと思います。乳癌のため僅か41才という若さで召された、不世出のコントラルトです。数多くいる名歌手の中、フェリアーほど「深い歌」を歌う歌手を、私は他に思いつきません。1985年に初発売されたショーソン、ブラームス、バッハを収めたレコードなど、まさに絶品です。指揮者サージェントがオケ版に編曲した「4つの厳粛な歌」はピアノ版のオリジナル以上にインパクトを増し、涙なくしては聴けません。フェリアーにはバッハ/アリア集というモノラルの名盤がありますが、伴奏の指揮を取ったボールトが彼女の死後伴奏をステレオで再録音しました。レコーディングの時ヘッドフォンで彼女の歌を聴きながら指揮をしたボールトの心境は、いかばかりであった事でしょう… このレコードに収められているマタイの有名なアリア「主よ憐れみ給え」もお薦めです。