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コロナで浮き彫りになったバブル社員

コロナ禍がほぼ一年経過。仕事を取り巻く環境は大きく変わったが、仕事っ自体は、なんだかんだで今までの延長線上で根本は変わっていないと感じ、危機感が日々募る一方である。

そんな中、先日ニュースで旅行会社のHISがそば屋を初めてついに一号店がオープンしたと報道されていた。

https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1280779.html 

これをみた我社の経営陣はどう思っているのだろうか?

A. 本業で立ち行かなくなったHISは終わったな

B. 新規事業を立上げるスピードや思い切りはさすが。見習わなければ。

口に出す人は少ないが、内心(A)の人は多いと思う。そばやにかぎらず新しい業態、新しい仕事にチェンジして生き延びる姿勢は素晴らしいがリスクや手間を考えるとなかなかチャレンジはできない。とくに50歳以上の人たち。

逆に我々40代の社員は危機感で満ち溢れている。(一部は除くが)とはいえ結構いい歳だし簡単に転職というわけにはいかないのが辛い所である。

我社もコロナ禍になってから数人の退職者がでているのだが、年齢は20代~30代。システムに強いとか、語学が堪能とかそういったものがある人はやはり人生の戦略をちゃんと立ててきたんだなと感心する。そして自らの無計画かつ怠惰に愕然とするのだ。

それなりに頑張ってきたつもりでは会ったのだがいざ転職ができるかなと考えたときにアピールできるような具体的スキルが無いのだ。現職と同様の業界で発揮できるスキルしかないので、業界全体の将来が厳しくなってきたときに立ち行かなくなる。簡単に転職できない我々は今の業界と会社でなんとかするしかないのだ。

で、なんとかしようと思ったのがHIS。旅行代理店と飲食業では一部通じることもあるかもしれないが、ほとんど無いだろう。以前積み上げたノウハウなどがほとんど通用しない業界へのチャレンジは当然リスクは高いと思う。社風とか気質とか言うと漠然としていてあまり好きではなかったのだけど、今の会社に転職して大企業と呼ばれる会社で長年過ごしてきた人を見ていると本当に血液や細胞のレベルで社風というのは染み付くのだなと思った。

このようなチャレンジしない人はどうやって育まれてきたのだろうか?

現在の50歳以上の人はほどんどがバブル期入社組。バブル時代を経験しております。この年代の人達は就職活動では内定をたくさんもらいそれなりのいい会社に入社できた。入社してからは好景気なので大した戦略を練らなくても、濡れ手に粟の仕事で勢いに乗れば莫大な利益、仮にイケてない仕事でもそこそこ儲かったし、補填もしやすかった。

ただ、バブルが弾けて1990年代後半からの30歳から50歳の間にきちんと淘汰された人と頑張り直して浮上した人がいる。その中でバブル期の勢いでそのまま生きてきた人が悲惨だ。

IT化の理解が乏しくITへの投資に否定的

30年前の仕事のやり方を押し通してくる。当時は気合と根性で乗り越えられた。乗り越えるほどの壁もなくただ「やったらやっただけ成果が出た」時代を過ごした人たちは、過去の仕事を変えようという気概がない。

うまくいかないときにどうして良いかわからない

会社員として成長していく20代をバブルで美味しく過ごしそこそこいいポジションに難なく到達、成果が試される30代は氷河期ではあるものの優秀な20代(氷河組)が最前線で戦い成果を出した。結果的に困難に立ち向う術を持たないまま会社の中核ポジションへ来た。

勉強したり本を読んだりしていない

上記と被るがやはり何もしないでいい成績が出せたという間違った成功体験が彼らをそうさせたのではないだろうか。新しい知識を仕入れたり活かしたりすることを頑なに行わない。仕事論、組織論など取り入れようと低減しても批判ばかりする。

プライドは高い

年功序列の会社で育ったため、先輩の言うことは絶対。よって自分たちよりも下の世代に対しても多少間違っていても自分の考えを貫き通す。


バブル年代の人たちにはこのような特徴がある。こうなった原因は他ならぬバブル景気だとは思う。バブル景気が人をダメにしたのではなく、ダメな人が淘汰されずにそのまま生き残ってしまったと分析する。

例えば就職氷河期に就職した現在40歳中盤の人たちは自動的に厳しいスクリーニングを経て今の仕事をしている。ということは逆に採用という選別に漏れてしまった人たちは、希望の職に着けずに給料の安い仕事をしたり非正規雇用で生計を立てていたりするのであろう。

バブルの無検査で通り抜けてきた人たちは根本的に努力したり考えたりすることが苦手な人たちが集まっていると思う。そんな人達が会社の運営を任される年代になり自分たちに都合のいいルールを作り、都合の悪い人たちを排除してきた。当然のことだと思う。自らを厳しく律して他人のために頑張るような人が居づらい環境に作り変えてしまったのだ。

ルールを作られてしまうと簡単に覆すことはできない。総務の人間が悪意をもって会社のルールを自分たちの都合のいいように作り上げてしまったら、、、そして自分たちの地位を上げて自分たちに逆らわない人間で周りを固める。

血はつながっていないが一族経営そのものである。長年勤めてきてやっと気付いた。自分のいる会社は一族経営だったのだ。世間一般に名のしれた企業であるにも関わらず一部の経営者が巧妙に作り上げてきた一族経営に変わり果てていたのだ。

一族経営は景気が良いときはそんなに大きな問題にはならない。雇われている従業員も良いお給料が貰えているならば。

しかしコロナ禍になって売上は大幅に落ち込むと給与カット、人員削減を行う必要が出てくる。こうなると一族VS従業員の構造になるのだが、果たして一族に従業員が勝つにはどうしていけばいいのだろうか。

そういったくだらない思考になってしまうのは非常に残念ではあるがこのコロナ禍を生き残っていくための修行と思いいろいろとチャレンジしていかないと行けない。









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