熟慮は時に短慮以上の愚行を招く
最近、呪術廻戦にハマってます。アニメ2期から見出して、amazon primeで1期を一日で一気に見て、漫画全巻買うという40代男性にありがちなパターン。
この漫画、少年ジャンプ連載中だけど、中年男性のハートを鷲掴みしてくる。特に回想シーンが。東堂がいきなり回想(妄想)するんだけどそれが秀逸。半分ふざけてるんだけど、半分真面目でビジネスマンのおっさんにぐさっと刺さる。
今回取り上げたのは敵のボスキャラ的な「真人」が吐いた言葉。こいつは人間ではなく『呪い』なんだけど本当にこいつ呪いか?と思えるくらい良いことを言う。世の中のバブル残党に浴びせてあげたい言葉。
熟慮は時に短慮以上の愚行を招くとは?
いろんな解釈ができると思うけどまずビジネスで当てはめてみる。漫画の中での使われ方とはちょっと違うけど。
①新規事業などであれこれ考えて開発と展開に時間のかかる大企業
②そこそこの出来で世の中に発信してあとから修正するベンチャー企業
おそらく昔々、昭和から平成初期は①の手法でも巻き返せた。資本力や販売力で。今はユーザー掴んだもんがちだから、ちょっとの遅れが取り返しのつかないことになる。そもそもベンチャーは開発速度に命賭けてるから大手が参入してきたとしてもなかなか追いつけない。そもそも大手が参入してくる頃は市場が終わってたりすることもある。今の時代のスピードに追いつけない50歳以上のオッサンたちにお見舞いしたい言葉だ。
よく考えれば正解が出ると考えている。正解が出るまで考える。
ビジネスに正解は無い。あるとすれば結果だけ。
仮に過程が同じでも始めるタイミングが違えば成功するものと失敗するものがある。でも愚者たちは正解があると信じて、どうすれば成功するかなと考えたり、他社の過去事例にすがる。
思いついた時に早く世の中に出していれば成功したかもしれないものを、時期を逃して失敗してしまう。でもその原因を「考えが浅かったから」と片付けてしまう。その後は更に時間を掛けて悩む。負のスパイラル一直線。
経営センスって言ってしまうとそれまでなんだけど、やはりそうなってしまう。再現性とか求める人も多いけど再現できるようなビジネスモデルって大した成果は出ない。営業活動なんかも誰でもマニュアル見たら売れるようにしろとか言う愚者がいるんだけど誰でも売れるなら別に人がやる必要は無い。
何故『熟慮病』に陥ったのか?
他の記事でもいろいろ考察してきたけど何故こんなにスピードが無いと言うかリスクを背負わないというか不思議なんだけど、やはりこれはバブル世代特有の症状だと思う。
大した戦略を練ること無くただひたすら根性で長時間労働さえすれば売上が上がり出世できた時代。同年代の社員が少なく、失敗しないことで出世できる。失敗しないことを突き詰めるなら熟慮はいい選択だと思う。熟慮した結果チャレンジしない=失敗しないだから。
そして年功序列なので下の世代の優秀な社員から突き上げられても失敗さえしなければ追い越されることはない。そうして掴んだ今のポジション。
ということでそのまま放置したら会社の競争力は全くなくなっていくのだが、この熟慮くんたちは社内でいいポジションを得られればそれでいい。あと5年間はなんとか会社も持つだろう。
やっぱり氷河期世代は一番割を食うのかな。我慢しているだけではつまらないのでこの真人のセリフをバブルのやつらに言ってやりたいもんだ。
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