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今春の旅行についての覚書 (2)

2日目 大塚国際美術館

神戸から明石海峡大橋、鳴門大橋を超えて謎に徳島に乗り込む。大塚国際美術館に雨の中たどり着いた。
なんか全部陶板らしい、つまりは、全て贋作、触れる絵画。
なので窯に入る大きさに絵が分割されてるんだけどそれにしたってデカい、
いかんせん全てのスケールがでかい。というかいくら贋作とはいえこの量と大きさはえぐいし、筆跡とか、絵の具の乗った感じとか油絵のテカリとか、壁画のザラつきとかまで再現しようと試みているのが見えてそこがいい。

連休被ったのと米津玄師だかなんだかで人は多かった。とはいえ1個1個のスケールがでかく施設も大きすぎるのでそれを感じさせない。広すぎる。なんか順路通りに見ても1.4kmあるらしい。地下地上合わせて何フロアあったんだっけ?かなり流し見をしたのに3時間かかった。死ぬ この日の歩数おかしい
交通の便が無さすぎて帰りにタクシー呼んだんだけどその運ちゃんが気さくな人で「ちなみにこのタクシーに米津玄師乗せたよ、ちなみに郷ひろみも乗った」と言ってて嘘かホントか分からないがウケました。にしてもタクシー、高い。車の免許はあるくせに、乗りなれていないから旅行先で乗る勇気もない。

あと実は神戸で15年来の友人と合流してここへ来た。会うのは3年ぶり?この友人はかなり稀有。小学生の頃から面倒みがよくて、いつも私が生きてるか心配してくれてる。2ヶ月に1回くらい、Amazon便とかその他の諸々で、言葉もなく、ただ注文者がこの子の名前でただただ私の住所あてにお菓子とか、ご飯とか、仕送りが届く(なんでだよ)。私の猫が生きていた頃を知っている人、私が最も人生で地獄ってて人としてもう終わりすぎてたときのことを知っている人。あとこれは会って初めて聞いたんだけど俺の地獄を見たのが普通に人生の中で衝撃すぎてそれに関する卒論書いてた(しかもそのおそろしい研究で成績優秀叩き出して卒業した、こわい)

性悪説を信じている私が性善説を否定しきれないのはこの子のせい。優しさがグロいと思ってる。数日前に誘ったのに普通に来たし、「私はあくまで付き添い人だから好きなところに行って好きなものを食べろ、言う通りに動く」と言い、マジで完遂した。こわい。まあそれで頭おかしいことに夜中にあかりの無い山道歩かせることになる挙句、私が慣れない無茶な旅程の疲労の発露とそれに伴った日々の蓄積ストレスが爆発して精神崩壊してるときの世話もさせたし、そのせいで2日目は何も食べさせてあげられなかった(申し訳なさすぎるのに最後までグロい優しさをくれた。)

冬季うつかなにかしりませんが、今年に入ってから割とドロドロとした思考をしてて、生きていく資格がねえ〜首でも何本か吊ってみるかと思っていたんですが、私が私に行う荒削りの精神治療はいつも割とわたしを救うようで、今回の旅でなぜかやたら人に会うようにしたのは私が私を救うためだったと思う。たすけてくれという相手がいること。自分が悲観するほど自分が孤独では無いこと。孤独も不幸も、充実も幸福も、そのどれもが自己陶酔に過ぎないこと。意外とみんないろいろとそれぞれ生きているだけのこと。自分もその一部として肯定する自分がいればいいだけのこと。
とかなんとかまた陶酔して語っていますが、きっと深夜テンションと、旅行のハイ。またすぐ卑屈な私がペラペラの性根の悪い言葉を吐いたりもするのでしょう。
それもまた人生

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