甘酸っぱい記憶
年の瀬あるある。
“離ればなれになってしまった昔の友達が地元に戻って来てくれる”
“昔の友人と会ってノスタルジーに浸る”
…
昨日、小学生からの友達2人と久しぶりに会った。
久しぶりに、と言いつつも、今年の8月にファミレスで語り合ったばかりである。
(ただnoteに書くなら大げさに表現した方が良いと思って、あえて「久しぶりに」会ったと書いた)
8月に会った時よりも、それぞれの生活の中で、悩んだり、苦しんだり、嫌になるほど人生を着実に歩いているようだった。
例えば、老人ホームで働いている友達は、職場の人と折り合いが上手くいかず、来年の1月には退職届を出すと言う。
もう一人の友達は、来年から社会人になる。勤務地はまだ決まっていないが、愛知か、東京か、三重になるらしい。
かくいう私も、職場に馴染めず、仕事も上手くいかず、泣いて泣いて泣いている。
そんな中で、小学生の時の友達と会うなどすると、深くノスタルジーに浸ってしまう。
小学生の時に何を考えていたか、誰が好きだったか、好きだった先生と嫌いだった先生等々かれこれ4時間ぐらいは語り合った。
その4時間の議論(「議論」と表現するほどの内容ではないが)の中で、一番心が熱くなったのは「国語の教科書の中で何が一番好きだったか」だ。
「俺はカマキリ」「スーホの白い馬」「ちーちゃんの影送り」「ゴンぎつね」…出てくる出てくる懐かしい面々。
私の一番好きだった物語は「白いぼうし」だ。
故郷のお母さんから送られてきた夏みかんの匂い
入道雲みたいな真っ白い帽子
中庭に飛ぶたくさんのモンシロチョウ
「もぎたてなのです。きのう、いなかのおふくろが、速達で送ってくれました。においまで、わたしにとどけたかったのでしょう。」
小学校の裏庭に植えてあったダイダイ(当時は、夏みかんと思い込んでいた)に自分の鼻を近づけて、松井さんが嗅いだ夏みかんに思いを馳せたものだった。
そんな記憶が甘酸っぱいぜ、、、
たまには、童心に戻って好きだった物語に舌鼓ならぬ、心鼓してみても良いかもしれない、そう思った年の瀬であった。