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Observer Effect2参戦の感想とアルバム収録曲の解説

こんにちは、きりはらきずきです。
前回のnoteから約1年ぶりの更新ですね。こいつ曲解説するとか言ってなんも書かずに放置してたんすよ、ひどくね?
ただ、存在を忘れないでいたことだけは褒めてほしいです。\エライゾ/

さて、今回はタイトルにもある通り、Observer Effect2参戦とアルバム収録曲の解説ということで、自身初のサークル参加の経緯と感想、頒布した1st Albumの収録曲の解説をしていきたいと思います。




Observer Effect2サークル参加したぜ

まず感想を書く前に、Observer Effect2というイベントについて解説させてください。

Observer Effect2とは

KAMITSUBAKI STUDIO(以下、神椿)というクリエイティブレーベルがあり、
簡単に言えば神椿の二次創作のみを対象としたオンリー同人即売会です。
去る2024年10月12日に開催され、『2』とナンバーが振られている通り2回目となり、事前販売の前半入場チケットが売り切れるなど非常に熱気のあるイベントとなりました。
詳細は公式ウェブサイト運営公式Twitterをご覧ください。

サークル参加の経緯

経緯としては、普段から仲良くさせてもらっている蹊さんの一言でした。

おれOE2に参加するからお前らも出ようぜ~

そこで自分は人生の岐路に立たされました――嘘です。

正直その時はあまり乗り気ではありませんでした。何故かというと、自分の曲に自信を無くしていた時期であり、自分の曲なんかを買ってくれる人なんているのかという気持ちでした。
バラードで、その中でも聴く人を選ぶピアノバラードだし、そもそも再生数もあまり無いし……みたいな感じでウジウジしていました。
迷っている中で、仲良くしてもらってる方が何人か参加表明をしているのを見たり、曲について色々な励ましをもらって、何事も経験かと思い参加を決意しました。

アルバム制作

そこからは大変でした。
過去曲のMIXのやり直しやリメイクだったり、新アレンジを考えたり、アルバムのリード曲を考えたり……。ボカロPを始めてこの時が1番ボカロPしてたんじゃないかなと思います。
後述もしますが、特にリード曲が大変でした。可不、星界、裏命、狐子、羽累の音楽的同位体全員を使った曲で、調声に1週間、MIXに2週間かかりました。死にそう。

曲と並行してCDのデザインも行いました。
デザインはイベントに誘っていただいた蹊さんにお願いしました。
本人も原稿で忙しい中引き受けてくださって感謝しかないです。ありがとな!(無礼)
ジャケットのイラストを描いてもらう時、こんな感じにしたいと蹊さんに渡したものがこちらです。

ひどい(ひどい)。

蹊さんからも「専門学校のポスターにしか見えない」と言われました。
この案は当然没となり、リード曲を作詞していただいた深郷蒼さんがナイスな案を出してくれたため、そちらが素になりました。

CDマスタリングも自分の持っているプラグインだけでは出来なかったので、こちらも普段から仲良くしてもらっている一之瀬レモンさんにお願いしました。
出来上がったものを聴いた際、マスタリングって曲の良し悪しに関わるって本当なんだなと思いました。
自分でマスタリングしたものよりも音が良いのはもちろん、低音が響き、高音の抜けも気持ちよくなっており、しかも音がワイドに聴こえて空間を感じられるようになっていて何もかもが違いました。
一之瀬さん曰く、「ダイナミクスとヘッドルームを揃えて、LUFSも0.1単位で揃えた」とのことで、かなり気を遣ってマスタリングしていただいたようです。

デザインとマスタリングが終わり、無事入稿作業も完了したため、あとは完成したCDが届くのを待つだけとなりました。
大きな期待と少しの不安を抱きながら届く日を心待ちにしていたら、

届いた!

印刷も曲も不備はなく、完璧でした。
自分が作った曲だけが入ったCDがこの世に出ることの喜びは、それはもうひとしおでした。
特に盤面の高級感が半端ではなく、これだけでもCDを作って良かったと思えるほどでした。

自分1人だけでは絶対にCDを作れなかったので、デザインをしていただいた蹊さん、マスタリングをしていただいた一之瀬レモンさんに改めて深くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

イベント当日の感想

これまでイラストの合同誌やコンピレーションアルバムに寄稿したり、コミケや前回のObserver Effectなどのイベントに一般参加したことはあったのですが、自分の創作物で、尚且つサークル側で参加することは初だったので、すごく新鮮でした。

当日は一之瀬さんも参加されるため、会場まで一緒に行かせていただきました。
前回一般で参加した際、浅草橋駅東口から出るところを間違えて西口から出てしまい、迷子になりかけたトラウマがフラッシュバックしかけましたが、無事に会場までたどり着きました。
自分のスペースは3番で、入口からすぐ横でした。
仲のいい方々とお隣のスペースへの挨拶や新譜交換もそこそこに、自分も設営をはじめました。あとからクロスを用意しておけばよかったと思いました。もし次回参加する際は持っていきます。

すごいイベントって感じする(小並感)。写真に写っているのは売り子として参加していただいた深郷蒼さんです。

また、開始直前にスペース60番の春美さんが自分のスペースまで来てくださり、「ずっと気になっていました」と仰って購入していただきました。
まさかスペース参加の方で自分のアルバムを購入していただけるなんて思っていなかったので、とても嬉しかったです。
春美さん、本当にありがとうございました!

11時になり開会宣言が行われ、Observer Effect2が開幕しました。
前半入場チケットが完売したと聞いていたので、きっと沢山来るんだろうなぁと思っていたら、想像以上に大勢の参加者が入口から押し寄せ、とても驚きました。
コミケにも劣らない熱気に圧倒されていると、自分のスペースにも参加者の方が来てくださりました。
はじめて自分の手で自分のCDを売るという貴重な経験に、嬉しさで少し手が震えてしまいました。
来てくださった中に、「僕もバラードが好きなので応援しています」と仰っていただいた方が居て、その言葉を頂戴したとき、バラードを作っていてはじめて報われたような気がして、とても感激しました。

客足が少し落ち着いたとき、主催の風祭さんがご挨拶に来てくださりました。
主催なんて大変なお仕事なのに、それを感じさせないほど極めて朗らかにお話しされていて、主催者も楽しめるような素晴らしいイベントなんだなと改めて感じました。
心残りがあるとすれば、新譜をお渡しする際に名刺を切らしてしまっており、一緒にお渡しできなかったことです。次回はちゃんと名詞も刷っていきます。

13時になり、イベントも後半戦に差し掛かった時、売り子の深郷さんが体調不良により中座しました。
現在は体調も戻ったので、本人に代わりご心配をおかけして申し訳ございませんでした。

深郷さんが帰宅し、自分1人がスペースに残りました。
前半はずっと立っていたので少し疲れてしまい、そのあとはずっと座っていました。

後半はありがたいことに試聴してから購入していただく方も増えました。
試聴してくださった方全員が購入してくださったため、自分の曲のどれかが刺さってくれたのかなと嬉しく思います。

15時になり閉会宣言が行われ、Observer Effect2が閉幕しました。
最後まで参加者全員の盛り上がりが欠けることなく、最高潮のまま閉幕したので、皆さんの熱気のすさまじさを感じました。
同時に、はじめてのサークル参加がこのイベントで良かったと強く思いました。

改めまして、アルバムの制作に携わっていただいた蹊さん、一之瀬レモンさん、リード曲の作詞や当日売り子していただいた深郷蒼さん、アルバムを購入していただいた皆さん、そして、イベントを主催していただいた風祭さんに改めて心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました!


アルバム解説

ここまで長々と読んでいただいた方には申し訳ないがもうちっとだけ続くんじゃ。
ここからはアルバム収録曲の解説をしたいと思います。
2024年7月現在までに公開した21曲の中から選んでまとめたベストアルバムのような感じです。
アルバム制作でも少し書きましたが、14曲の内12曲を再MIX、一部の曲の再調声、リアレンジをしました。
新曲は1曲だけですが、既存曲でも新鮮な気持ちで聴いていただけるかと思います。
約2か月かけて制作し、デザイン担当の蹊さん、マスタリング担当の一之瀬さん、リード曲作詞担当の深郷蒼さんのおかげで最強のアルバムになりました。

『憂いのパレット』というタイトルを付けた理由は、自分の曲は明るい印象の曲でもどこか憂いを帯びていると考えています。
生きていると、いろんな場面で憂鬱になることがあると思います。
これまでの沢山の憂いの感情が重なって、まるで使い古したパレットのように元の自分が見えなくなってしまう。だけどそれが人間なんだと、自分自身なんだと肯定してみよう、パレットはまだ黒じゃないよ、という気持ちを込めました。

曲順にもこだわりがあり、1~6曲目までは恋愛系、7~11曲までは病み系、12~14曲までは自己啓発(前向き?)系となっており、6曲目と7曲目と11曲目はつなぎの役割をしていて、各セクションの両方のコンセプトを併せ持っており、グラデーションで曲の雰囲気が変わっていく様を楽しんでいただけたらと思います。

01. ライク

君の言う嘘が好きな主人公が君に嘘をついて後悔するという曲です。
恋愛……なのかな? 作者が不安になるくらい詞に関して出せる情報がないです。
何故かというと、メロディーができてすぐにCeVIOに取り込み、なんのコンセプトも決めずに出てきた言葉をメロディーに当てはめただけなので……。
ピアノは有料音源を買ってからはじめて作った曲で、当時の自分としては頑張って作った曲です。
1サビ後の間奏の左手アルペジオのダイナミックさを感じていただければ幸いです。

02. エリンジウム

不倫の曲です(直球)。
逢瀬を重ねた帰り道から始まり、自分は2番目の女で不倫をしていると自覚をしているのに相手に恋をしてしまうという登場人物全員クソな曲です。それがいいんだろって? 倫理観大丈夫? いや俺か。
2番のサビから入るオクターブの裏メロがエモさ(皮肉)を引き立てるいい仕事をしています。
狐子を使ってはじめて作った曲で、この曲を境に狐子をメインに使い始めます。

03. ツヅミボシ

はじめて作ったデュエット曲です。
原曲はIAと結月ゆかりがボーカルでしたが、神椿オンリーイベントのため、可不と裏命に変更しました。
ゆかいあも声の相性が良かったですが、かふりめはどっちが主旋律を歌ってるのかわからないくらい声の混ざりが良かったです。
歌詞は寒い夜に情熱的な愛を誓う内容となっていて、こんな前向きな愛の歌をよく書けたなという感じです。
同位体的に言えば、可不と裏命から同時に愛を囁かれる感じですかね。

04. Will…

2023年のボカデュオで発表した曲です。
メンバーの皆さんのおかげで人間版は最高の出来になりましたが、こちらのボカロ版も負けていません。
詳細な設定を書くともう1つ記事が作れてしまうので簡潔に書くと、どこかに旅立ってしまった恋人を追いかける、という内容です。
提出したdemoでは可不が歌っていましたが、CDでは星界になっています。
収録にあたってボーカルを変えようと思い、最初は狐子にする予定でしたがハマらず、星界に変えたところ綺麗にハマったので星界になりました。
コーラスもほぼ人間版のままですが、落ちサビのコーラスだけ人間版は下がる音程ですが、こちらは上がる音程になってます。だからどうした。

05. 徒花よ

連絡が途絶えた想い人を案じる曲です。
2022年に公開した『葉桜』という曲の関連楽曲となっており、視点違いの曲となっています。
日本語の美しい曲にしようというコンセプトで作った曲で、『霞残響』という造語も出てきます。
古い恋愛観って時に美しいものなんですよね。時代が違えば多分バズってました。きっと。おそらく。
マスタリング担当の一之瀬さんが印象に残った曲としてこの曲を挙げていたので嬉しかったです。

06. 凪いで揺らいで

海難事故で失った恋人を想う曲です。
この曲はある時から歌詞が出なくなるスランプに陥り、深郷さんにコンセプトだけ伝えて書いていただきました。
まるで小説を読んでいるかのような2つの意味で深い歌詞となっております。
今まで作った曲の中で、最もメロディーが気に入ってる曲です。きっとこの歌詞じゃないとこのメロディーは思いつかなかったでしょう。

07. 春華消灯

とある夜に囚われた女の曲です。
こちらは深郷さんに歌詞を書いていただき、海琴さんに編曲をしていただいた曲です。動画では蹊さんにイラストを描いていただいています。
ギター弾きではない海琴さんに無茶ぶりをしてギターソロを入れてもらいました。
メロディーも気に入っていて、「この歌詞にはこのメロディーしかないんじゃないか」など、いろいろな感想を頂戴しました。
個人的に編曲で化けた曲だと思います。
今までは再生数がトップだった『ライク』が代表曲だと思っていたのですが、現在はこの曲が代表曲と呼べるほど威光を放っています。
作詞者によるノベライズもあるので気になった方はこちらを読んでみてください。
余談ですが、ギターソロの部分は動画版とCD版で異なっているので、どう違うかは是非CDを聴いてみてください。

08. いらない人間

純粋に病んだ曲を作りたいと思って出来た曲です。
はじめて歌詞とコードとメロディーが同時に出てきた曲で、それが最後まで続いたので曲部分は割と早くできました。
ただMIXにかなり時間がかかりました。
裏命を使った曲は前項の春華消灯がありますが、あちらはMIXもお任せしたため、裏命がここまでMIXが難しいとは思いませんでした。
歌詞もかなり暗いため、プロジェクトを開くたびにげんなりしていました。
ただ、時間がかかった分いい物に仕上がったと思っています。

09. てがみ と 綴

1曲の中で曲が変わる2部構成の曲です。
詳しい解説は前回のnoteでしているのでこちらをご覧ください。
こちらも『ツヅミボシ』同様ボーカルが東北きりたんから星界に変わっています。
もともとこの曲は収録する予定はなかったのですが、要望があったのと星界が秋田のクソガキより解像度の高いガキボイスしていたので収録に至りました。
ピアノの音も動画版より力強くなっています。

10. This Song -Hopeless ver.-

両親へ宛てた曲です
恐らくこのアルバムの中で最も自己満足な曲かもしれません。
動画版と歌詞が違っており、ドラムとベースが追加されています。
タイトルに『Hopeless(絶望)』とある通り、最後に少し救いを見出した動画版と違い、微塵も救いがない歌詞に変わっています。
何故こうなったかというと、まあ……察してください。

11. 浮遊惑星

タイトル通り宇宙を孤独に漂う浮遊惑星の心情を歌った曲です。
自分がピアノバラードメインで行こうと決めた始まりの曲であり、このアルバムの中で最も古い曲です。
子供のころに宇宙の図鑑を読みまくってある程度知識があったため、歌詞に散りばめてみました。
見方を変えれば、現代の孤独を表した歌詞にもなるかと思います。
個人的にラスサビの『自由がこんなにも苦しいなんて知らなかった』という歌詞が、一見矛盾していますが割と芯を食っていて気に入っています。

12. メロディー

自己啓発ソングです。
前のバイト先の社員さんが店長から理不尽に仕事を押し付けられており、少しでも慰めになればと思って作りました。
役に立たない音楽」、「ノイズだらけの日々」という歌詞はその社員が受けてきたパワハラの言い換えです。
また、見方を変えると自分の思想がかなり強く出ている作品でもあります。
2番のBメロの内容がまさにそれで、自分が作っている曲よりも音楽的に破綻した曲の方が再生数が回っているのを見て、悔しくてついお気持ち表明してしまいました。
社員さんに宛てた曲ではありますが、多くの人を慰められる内容だと思うので、是非聴いていただければと思います。

13. そこに僕は

友達への独白の曲です。
コンピレーションアルバム『同位体結晶』収録曲です。
この曲は深郷さんに作詞していただいたので、自分の友達というより深郷さんの友達に向けた曲です。
2024年10月現在、6曲ほど深郷さんに作詞をしていただきましたが、この曲の歌詞が最も気に入っているそうです。
深郷さん曰く、「もしあなたに小さい頃からの友達がいるのであれば、それはとても幸せなことなので、どうかその縁が千切れないことを願っています」とのことです。

14. パレット

このアルバムのリード曲であり、自己啓発ソングその2です。
前述にもある通り、深郷さんに作詞をしていただきました。
この曲は深郷さんに、「V.I.Pで曲を作りたいので、合唱曲のような歌詞で自己啓発的な内容にして欲しい」というクソみたいな要望をして、それを叶えていただきました。
音楽的同位体たちはみんな白を基調としたデザインになっている。だからこそ、『パレット』というタイトルで、色をテーマにした曲にしたら面白いのではないか」という深郷さんの考えが詰まっています。
予想以上に歌詞が長く、5分くらいになるかなと思って作り始めたらなかなか最後の歌詞までたどり着かず、気づけば6分10秒というとんでもない再生時間になっていました。
それでも5人のコーラスワークを考え、ああでもないこうでもないと試行錯誤をしている時間は楽しかったです。
この曲が出来上がった時、アルバムのタイトルとコンセプトが決まりました。


まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。
前述にもある通り、はじめてのイベントへのサークル参加、はじめてのアルバム制作となりました。
蹊さんや一之瀬レモンさんをはじめ、沢山の方々にアドバイスをもらいながら制作できたのは、貴重な経験であり幸せな時間だったと感じております。
重ね重ねアルバム制作に携わっていただいた皆さん、イベントを主催、運営していただいた皆さん、会場までお越しいただきアルバムを手に取っていただいた皆さんに深くお礼申し上げます。

そして、会場にお越しになれなかった方に向けて、通販も始めました。
もしこのnoteを読んで気になった方が居ましたら、是非購入していただければ嬉しく思います。


また何か大きなことがあったり、この曲を解説したいなと思ったら記事を書こうと思います。
今度は1年も空けないように頑張ります。ハイ。

ではでは。

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