空を眺めたくて新卒1年未満で辞めた話
なんかすごい経歴を持ってしまったな、と一瞬思うようで、世の中で起こってることに比べたらなんでもないお話で、
お金より、努力より、空を美しいと思える自分の感性を失いたくなかったというお話
月に9日休めて、ボーナスは1年2回出て、人間関係良し、残業は1時間ほど。通勤は片道1時間
だいぶ恵まれてると思ってたけど、私はそんな生ぬるい環境から逃げた。体が出すSOSを早めに受け入れて、自分は社会に適応できないタイプかもねと思いながらもこれでよかったと思ってる
8月から体調に変化
失敗をしてごめんなさいという言葉を繰り返していると、動悸がする。自分がちゃんとやれてるのか、ここにいることを許されてるのか分からないから、とにかく明るく振る舞い、よく謝り、精一杯動いた。家に帰るとどっと疲れるのは自分で自分を痛めつけてるからだと思いながらも、仕事に慣れるまでだから、と。
そうやって小さな違和感を無視していると、
簡単な足し算も間違える、異常なほどの睡眠時間になる、手の震え、吐き気、頭痛、急に涙が出るなどの症状が出てきて、休日も家から出なくなった。
趣味の絵も、ガラスペンで日記を書くことも、ダンスも歌もゲームも料理も何もかもめんどくさい。めんどくさいというか、本当に体が動かない。ドラクエ5、いいとこで止まってるのにとか、そういうのもそっちのけで、頭の中は仕事のことだけ。動かない体と仕事のためだけに動く頭。
心は崩れ始めると、完全に崩れるまでが早いなと思った。だからもし、画面の前にいるあなたが、犬の動画を見ても前よりなんとも思わないとか、なんとなく掃除ができないとか、そういうことがあれば、そう思った早い段階で自分の心を気にかけてあげた方がいいと思うよ。
何がそんなに苦しかったのかって
いい職場で働かせてもらっていても、心が動くことがあまり無かったこと。それが私を苦しめてたんだと、久々の2連休にどうにか体を起こして、散歩をして思った。誰が見ていなくても心から勝手に溢れる純粋な感情。空が綺麗だなと思うこと、川の流れる音、おばあちゃんの温かい手とかそういう部類の何か。
そのとき、時間も無しに仕事に尽くして高いお金を貰うより、生活水準を下げて低賃金でも心を動かす時間を作ろうと思った。
弱い自分を認めて生きる
正社員じゃないと生きていけない、大卒なんだから正社員にならないと、って思ってた。
昔から長時間睡眠で人より出来ることが少ないから、大学では色んなことに挑戦してなるべく色んな人に会って、自分はちゃんとできる人間なんだ、周りの人と同じように生きていけるんだと思っていたし、そのための努力をすれば変われると思って努力した。もちろん沢山の学びを得たし、かけがえのない存在に会えた。
だけど、自分のキャパが小さいならその範囲内で生きていけるようにしてもいいという選択肢が今までなかった。いつも自分より優れた人と自分を比べて、あんな風になれるように努力しなきゃ、、と思って。
そのまま社会に出て、周りと同じように正社員になって追いつこうともがいてるうちに、自分の感性が無くなってしまった。
世の中には一日中走り続けられる人がいる。世の中にはどこまでも考え続けられる人がいる。そんな人たちを追いかけて勝手に疲れていた自分が、平凡でも、平凡以下でも、自分だけの宝物を持ってひとりでに幸せになれるならそれが正解だなと思う。努力しないのは逃げ?甘え?そんなのよりも好きを持って生きていけることが大事、心のエネルギーが幸せの全てを決めると思うから。弱くても幸せになる方法を探すことにした。
空を眺めたい。日が登ったり、沈んでいく様子をボーッと見たいし、星が綺麗だねって地元の山の上にある施設の駐車場にレジャーシートを敷いて夜空に友達とはしゃぎたい。たいそうなものを生み出せなくても底辺でも生き抜いて、美しかったなと言っていつの日か目を瞑りたい。
空を眺めるために仕事を辞めたのは、そんな人生を歩むための一歩だと思う。ダメダメな私自身と、最高の人生を歩んでいけますように。