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女子寮の青春。

高校時代、砂色のトカゲが廊下に常駐してるような女子寮に住んでた。もはやペットの、部屋には入ってこないお利口さんトカゲがいる寮

入学前のオープンキャンパスで寮の見学一緒にした友達が寮がボロいからという理由でその高校に受験しなかった、そのぐらいのレベルのボロさ。

私の高校時代は今のところ人生の1番の暗黒期で、辛いことが8割占めてたけど、幸せの8割は寮で得た気がする。

4畳を3人で使って、そのうち1畳は入り口と通り道。1人1畳に布団を敷くもんだから、ほぼ布団の上での生活。(もちろん几帳面な子は布団をしっかり畳む)

それが全然苦じゃなくて、むしろお布団大好きだから幸せだったし、布団の上でファッションショーをしたり、恋バナしたり、友達のピアス穴開けてキャーキャー騒いで寮母さんに怒られたり、そんな楽しさがあったなあ。

ある夜中にずぞっ、ずぞって音で目を覚ますと、隣で鍋から直に友達がラーメン啜ってて、

「あ、起こした?ラーメン食べる?」

「え、食べる〜、、え、めっちゃ美味しいセンスあるよ」

「でしょ〜」

みたいな話をした気がする

夜中にパンケーキ作ったら真っ黒に焦げて、卓上ランプだけつけて暗がりで真っ黒パンケーキ食べたりとか、誕生日会しよって集まって逃げ恥ダンス踊ったりとか

面白いって感情よりも安心感から来る笑いで満たされてたな、

壁が薄いから廊下を鼻歌歌いながら歩く子を認識できて、あ、あの子また歌ってるってなったり。1人が歌い出したらみんな歌ったり。

ボロボロの寮から生み出される最上級の思い出って最高にコスパいいんでないの。うん、私そういうの大好きみたい。

プリクラを撮って、カラオケを歌う。ボーリングに行って、美味しいご飯を食べる。そういう用意された幸せも、もちろん好きなんだけど、女子寮での日々は自分の中の幸せを育てる力がむくむくと育っていくような日々だった

周りの青春に目を奪われていたのかもしれない、ちゃんと気づいてあげられなかったけど
今思えばあれは、私の青春だった


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